上質のファンタジーであり、同時に上質のミステリー

異世界への転生を描く時、何故、転生したのかが明確に問われない作品も多いですよね。

叶わなかった願望の成就、虚しい一生のやり直し、そして贖罪……
さまざまなパターンが物語の奥に潜んでいるものだけれど、この物語に潜む「謎」は一味違います。

読んでいる内、取り返しのつかない何かに足を踏み入れたような、そんな感覚が読者をも襲う。最後に何が待っているのか、気がつくとエピソードを続けて読んでいる自分に気づかざるを得ない。

真に素晴らしい引力を持つ傑作だと思います。

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