第11話 君は一緒にお風呂へ入る

(妹が戻ってきて、部屋の扉を開ける)


「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ごめーん! お菓子探してたらお母さんに怒られちゃってさ! 事情を説明してようやく解放されたよ! お菓子多めにもらった!」


「お、おかえり……」


「おっ! どお? お兄ちゃん達、話進んだ? お姉ちゃんからアドバイスもらった?」


「ア、アドバイスってほどじゃ……ねぇ」


(君は首を振る。服の擦れる音)


「……そっか! お兄ちゃん、さっきよりも明るい顔になったみたいだし、お姉ちゃんに相談して良かったみたいだね!」


「良かったね! お兄ちゃん!」


(首を縦に振る。服の擦れる音)


「うんうん! あ……お姉ちゃん。沸かし直したからお風呂入ってきていいよ」


「ヒィィェ゙エ!?」


「ヒィエじゃないよ! お姉ちゃん3日お風呂入ってないんでしょ! 最悪だよ! 衛生的悪い!」


「で、でもぉ……多様性の時代だしぃ……き、君も、隣に座って、く、臭くなかったよね?」


(無音になる)


「臭くなかったよね!!」


「お姉ちゃんいい加減にして! もういいや! お兄ちゃんはお姉ちゃんの脇持って! アタシは足持つね!」


「え……え? えええ待って待って!」


「そうだ! この際だから久しぶりに皆でお風呂入っちゃおうよ!」


「ええええええ!? こ、こここの年で皆で!? そ、それはちょっと……お風呂も小さいから……」


「良いじゃん、兄妹なんだからさ」


「い、いやぁ……お風呂いやぁあ……二人共考え直してぇ……」


「往生際が悪い!」


「やぁだ……お風呂やぁなの……」


「お姉ちゃんうるさい。それじゃあ、皆でお風呂に……レッツ! ゴー!」


「ヤダーッ!!」





       〜 完 〜




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人懐っこい妹に執筆活動を応援してもらい、時々甘えさせてもらう。そして引きこもりの姉とも…… バンブー @bamboo

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