ビルの谷間に故郷の田園を想う……世界は、誰かの仕事でできている

何者かになれると思っていた
きっと子供の頃は誰もがそうであっただろう

楽しいことも、苦しいことも
子供の頃から、みんなそれなりに味わい
いつしか年齢だけはおとなになってゆく

でも、日々何かを求めて生きていても
報われもせず、誉められもせず

やがて誰もが気づいてゆく

何者か────
そんなものには、なれないということを

その時、選ぶ選択は
本当に様々だ

潔く諦め、凡なる日常に骨を埋める者
望みの高さを低く設定し直す者
それでもしがみつき、何者かを求め続けるもの

────時には、人の道を踏み外す者もいるのかもしれない

こんなはずじゃなかった
こんな自分になりたいわけじゃなかった

嘆いてみても
生きているだけで金がかかるこんな世の中じゃ
人の世の道理など、なんの助けにもならない

そんな時、
誰にもきっと、帰りたい場所がある
それは、どこにいても
どんな境遇にいても
きっと変わることがない

己を捨てて顧みよ
その子らは、汝が思うほどか弱きものではない