幻獣の契約者

陽希市《ようきし》。

なんら特色の無い都市に、無理やりこじつけたかのようなキャッチコピーを掲げている通称希望の都市。
そこに住まう人をからかい、おふざけが大好きな性格の一介の学生、徒篠玄斗《あだしのげんと》は新醒《エゴ》と呼ばれる特異な力――を持たない無能力者である。

そんな彼の日常は、天真爛漫で元気。それでいてちょっぴり臆病な後輩の少女――白﨑遥《しらさぎはるか》と、毒舌だがしっかりと言葉は返してくれる同級生の少女――湊谷睦月《みなやむつき》のおかげで彩られていた。

しかし、ある日の朝。
彼らの通う学校で“ソレ”は突然巻き起こる。

そして、ソレをきっかけに“幻獣の力”を得た少年が、自身に地獄を見せた過去の事件に巻き込まれていく事となる――。