第2話 見知らぬ世界

突然私は目を覚ました

「確か私は死んでいたはずだがまさか生きていたのか?」


私は周りを見渡した

「ここは!?」

私は飛び跳ねるように起き上がった。そこには信じられない光景が映っていた。


「は?」


あたりを見ますと、ここはどうやら牢屋のようなものだった。ここからは何も見えない。俺はなぜか牢屋にとらわれている。


最初に自分の身が安全かの確認を行った。さらわれたのかもしれない今の状況を把握するのが何よりも大切なことだった。そしてとても混乱した。自分の姿が何故か別人になっていたからだ。




脳の理解が追いつかず、そのまま混乱していると隣みすぼらしい少年が声をかけてきた。


「ようやく起きたか。お前、どっから来たんだ?俺様の名前はモーブ。虎の獣人だ。モブ村で遊んでたら突然海賊に捕まっちゃってな。ここは危険な場所かもしれない。だが大丈夫だ。将来大英雄になるこの俺様が助けてやるぜ」


「は?」


自分をなだめるように自己紹介をした男から『疲れちまってんのかな?』


と聞こえたが無視して思考した。いきなり質問されてもこの混乱している状況では答えようがない。彼の言葉にはいろいろ気になる情報がある。一旦整理をしよう。


この頭のがおかしいガキを見る。服装は汚い。いや既に服装と言えるのか?こんな部屋に入れられているわけだしまともな飯も食っていない気がする。だがそんな事はどうでもいい。もっと気になることがあった。

       . .

こいつ、俺と同じで人間じゃない。



人体実験でもされているのか、動物のような毛が生えており、歯は牙のように鋭い。こいつは自分が虎の獣人だと言っていた。信じられないが、そのことについて警戒をしながら情報を探るためもうモーブにできるだけ優しい声をかけながら言う


「お前は虎の獣人だったのか。道理ですごくお前はかっこいいもんな」


子供はあまり頭が良くない。まずは相手を褒めて気持ちから攻めていくのが良いだろう。モーブの機嫌を探りながら情報を探って数10分。俺は1つの結論にたどり着いた。


ここは俺がいる世界とは違う


本当に信じられないが、子供には嘘をついている気配が感じられない。もしも嘘でこの天才の俺を騙しているならこいつはもうお手上げってもんだ。


私たちは「エンリー大陸」と言うとこに住んでいるみたいだ。大陸は内側に海がない広大な陸地らしい。俺は異世界に転生したのだろう。この少年が言っている事が確かならば。


そのことも視野に入れて行動する必要がある。ここは想定以上に危険な場所なのかもしれない。だけどこの面白い状況に久しぶりの面白さを感じていると、


「ゴミども。牢屋から出ろ」


いきなり牢屋の扉が開かれ、そこには1人の恐ろしい雰囲気を醸し出している男が立っていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天才は相手を蹴落とし生き延びる エビ握り @mastuyoshi0502

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ