天才は相手を蹴落とし生き延びる

エビ握り

第1話 刺激を求めて

「そろそろ死んでもいいかな。つまらない人生だったし。」


死ぬ前に自己紹介をしよう。

僕の名前は際。

何でもできる人間。

俗に言う天才と言うやつだ。

勉強もスポーツも何でもこなしていった。覚えてないけど何とか賞とか何とかメダルとか取ったっけ‥


けど、そのことに僕は深い恨みを持っている。初めはよかった。みんなの純粋な瞳、新しいことを知る喜び。天国だった。



だが時が経つにつれ天国は地獄と変わっていった。新しいことをしてもすぐにわかってしまう。その気になれば数週間でその道のベテランをも超えてしまう。私には耐えきれなかった。つまらなくて、



それが悪意や羨望の眼差しになったのはいつからだろうか。


【だが私はそんなものが欲しかったわけではない】


私は、何でもできて、憎まれて、つまらない。天才と言われる私も結局、自分のつかみたい未来を掴みとれないのだ。皮肉なものだ。


「来世はもっと刺激のある面白い楽しいそんな人生がいいなぁ」



きっと夢は叶うだろう。

こんなひどい目にあったのだから。



そして私は死んだーーー刺激を求めて

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