どこかの星で
(翻訳してお送りします。)
我々は●●●星に住む、比較的穏健な生物・種族である。
この星は緑豊かで、水も多く存在し、生物の種類も多岐にわたる。
この星の祖先は、■■■億年前の進化により思念による意思疎通が可能となった。
これは、生物かつ思考能力があればどの生物とも話ができるということだ。
考えがそのまま相手に伝わるため、記憶、または記録媒体に移すことでほぼ完璧な思考トレースが可能となる。
この能力のおかげで、人類同士はもちろん、生物同士の争いもほとんど生まれない。 あっても個人間のケンカが良いところだ。
そんな平和な日々を送っていたある日、思念にノイズが出ることが多くなった。
昔から、磁場の強い場所や火山の近くではノイズが出たり、思念の送受信(会話)をすることができなくなることは知られていた。
また、科学の発展した近年では宇宙放射線や太陽フレアによる影響も確認されており、この星の多くの生物にとっては雨や台風と同じ、天気の様な感覚であった。
数日もすれば落ち着くだろうと誰もが思ったそれは、何日間も続いた。
さすがに辛くなったので、宇宙研究機関へ問い合わせると、どうやら遠くの星が電磁波を出しているらしい。
宇宙は広く、そして不思議な領域だ。
思考トレースにより、科学が発展していると自負している我々でさえ、宇宙の全ては解き明かすことができていない。
その時は、星が爆発したり、指向性のある噴火が起きた際の影響ではないか。と結論付けられた。
しかし。
しかしだ。
更に■■日間も続くとは思わなんだ。
幸いなことに、手の届く範囲まで近づいたり、一つの金属をお互いに触ることで思念を送り合えることが分かった。
最近では、ブースター(増幅器)というものも出ているらしいが、指向性に難点があるそうだ。
そんなわけで、改めて研究機関へ問い合わせた。
結果、遠い星の生物が多量の電磁波を惑星内で使用し、また、■■年前(地球の西暦で1960年頃)から送られ始めた電磁波の両方が、我々の騒音となっていた。
対策を聞くと、すでに星主がコミュニケーションを取るための宇宙船を送ったそうだ。
本星歴でもう数■■年もすれば収まる可能性が高いと聞き、気持ちが落ち着いた気がした。
それにしても、最初にコミュニケーション用の宇宙船を飛ばすとは、やはり穏健な生物だと思う。
過去の例を見ても、最初にコミュニケーションを取り、『話の通じない』相手や攻撃してきたものを除き外星人とも友好的な関係を持っている。
我々もだが、最初にコミュニケーションを取った外星人は自分たち以外に宇宙の生物がいることに驚いていたそうだ。
知らないことは仕方ない。
しかし、知って正せる知識人とは友好的に過ごしたいものだ。
〜★△新聞 ーーー記者の日記より〜
近未来に襲ってくる宇宙人のお話 @sohappyeah-VT
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