近未来に襲ってくる宇宙人のお話

@sohappyeah-VT

地球にて


 時は西暦2050年。

 世紀の半分の過ぎたこの年に、突如宇宙からの来訪者があった。


 俗に言う宇宙人というやつだ。


 宇宙は広く、そして不思議な領域だ。

 科学技術が発展したとはいえ、それでも150年程では、到底宇宙の全ては解き明かせない。

 

 それでも、宇宙人へのメッセージ送信が1960年から行われていたりと、我々人類も日々孤独な存在でないことを含め、宇宙を研究し続けている。


 本筋に戻ろう。

 彼ら宇宙人は、人類ひいては地球上全ての生物に思念を送り、接触してきた。

 しかし、地球の生物は声とジェスチャーで意思疎通を測るものが多い。

 その構造の違いは、頭痛や幻覚といった体調不良として現れた。

 困ったのは、宇宙人が宇宙空間にいた事。そして地球上で幻覚を見た地球人が宗教を乱立したことだ。


 前者は、ミサイルの射程を超えていたため、すぐには軍事活動が起こせない問題である。

 後者は、仕方ないので拘束具を着けて専用の施設へ放り込んでおくことにした。


 いつの間にやら、頭が痛む数ヶ月が経過していた。


 この間、地球人も手を加えていたわけではない。

 地球に降りてきた宇宙人を会話を試みたり、その技術を研究していた。


 バードストライクと見られる現象によってたまたま墜落した小型宇宙船からはすでに事切れた宇宙人も見つかり、検死も行われた。

 結果、声帯が無く、声を出さない生物であることが判明した。


 いまだに多く寄せられ続ける頭痛の解消もあってか、コミュニケーションを取ることが不可能であると結論付けた国連は、反転攻勢を取ることを可決した。

 なんでも、国連軍やアメリカにも卸している武器開発企業や宇宙開発機関が手を取り、思念の届きにくい地下や水中で新型のミサイルが作られていたそうだ。


 毎日の頭痛から解放されるため、また、満杯になりつつある施設をなんとかするため、ミサイルが放たれた。


 バリアや未知の技術に阻まれる懸念もあったそれは、運が良かったのか見事宇宙船を木っ端微塵にした。

 これで私を含めた人類、ひいては地球上の生物が頭痛や幻覚に悩まされずに過ごせそうだ。


 とはいえ、満杯になった施設の対応を考えなくてはならない。

 それに、これまで生産性が落ちていた産業の対応も考えなくてはならない。

 いかん。また頭が痛む。


〜某小国幹部の日記より〜

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