フェイト・プシューケー　〜戦禍の華蝶姫〜

「姉さん？姉さんだよね⁉︎」
「ひ、人違いでは……？」

祖国で悲惨な生活を送っていたヘレナ・クロウ（十五歳）は、帝国で魔術師団団長を務める程の優秀な軍人になっていた。
皇帝の側近兼婚約者として帝国で忙しくも充実した生活を送っていたある日、王国の使者を兼ねて留学して来る人間が学友として自身を指名していると言われる。不審に思った皇帝に、彼女は監視の為に使者と共に学園に入学する様に命じられてしまう。
イヤイヤながらも入学した学園で顔を合わせたのは、今や王太子となっている弟だった⁉︎

今のまま帝国に軍人として残りたければ、顔を合わせたことなど一度や二度しかないのに、何故か立派なシスコンに育っていた弟の圧力から逃げ切れ⁉︎

天才魔術師ヘレナ・クロウの学園生活は弟や皇帝、異世界の聖女や竜によって、今日も全くもってままならない。