第2話 月光
あの後は大変だったらしい。精神がおかしくなっていたのか、何度も大声を出していたらしい。らしいと言っているのは、ほとんどその事を覚えていないからだ。おばあちゃんが言うには頭がおかしくなっていたらしいでも睡眠を取ることで落ち着くことができた。またおばあちゃんに世話をかけてしまった今度タイミングがあったら謝ろう。それよりあの配信者は本当にあのときお母さんとお父さんを殺した奴なのだろうか?
「倉橋さん大丈夫ですか?」
「え、あーごめんなさい」
「では話を続けますね」
考え事をすると周りが見えなくなってしまうのは前からの癖だ。おばあちゃんが言うにはご飯も食べずに考え事をしていたこともあるらしい。それよりあの配信者についてだ適当に見たせいでよく名前を覚えていないがかなり人気があるようだったし探せば見つかるだろう。でも俺は見つけてどうするんだ、本当に犯人かも分からないし、またおかしくなっておばあちゃんに迷惑をかけるかもしれない。それならもう詮索はしない方がいいのか?でも..
「では次倉橋さん自己紹介お願いします」
「…………………」
「あれ倉橋さん?」
「倉橋さん?どうしました?自己紹介を」
「え..........」
まずい..昨日の配信のことを考えすぎて自己紹介何を言うか考えていない、でもこういうのはシンプルなのでいいんだ変に笑いに走るより普通に名前と通ってた中学校と入ろうと思ってる部活でも言えばいいだろう。
「ぇー
まずいまただまた痰が絡んでしまった、ただ今回は反応的にバレていないはずだこのまま何もなかったように行こう
「名前は倉橋月です。埼玉県立水加中学校に通ってました。部活はまだ決めてないです。これから一年間よろしくお願いします」
パチパチ パチパチ
なんとか普通にやり過ごせた..自己紹介はこれから友達がいる高校生ライフを過ごせるかぼっちライフを過ごすかが9割決まると言ってもいい重要なイベントだ。そして俺が嫌いなイベントだ。
「では次近藤さんお願いします」
「はーい俺は近藤大智って言います。中学はピカ中に通ってました。」
うんこういう奴が1人はいるんだよな、自己紹介に賭けたのがバカだったな自己紹介は普通が一番なんだよ。
「あのー近藤さんふざけず普通でいいんですよ?」
「え!..あの本当にピカ中っていいう中学校に通ってたんですけど..」
流石に無理だそれは、近藤お前はこれから一年間ぼっちライフになる運命なんだよ。
「あ本当だ。調べたら本当にあるんだなピカ中っていう中学校」
まじで!!!いやいやいやいやいや完全にふざけた奴だったじゃん.まじかよ本当ごめん近藤。勝手にぼっちにしてごめんな近藤。
「じゃあ申し訳ないんだけど最初からお願いします」
「はいえー俺は近藤大智って言います。通っていた中学校はピカ中で部活は中学からやってるバスケ部に入ろうと思ってます」
パチパチ パチパチ
今日の学校も自己紹介など簡単に終わるのばっかで早めに帰れるから帰ったらあの配信者について調べてみるか
「ただいまー」
「あれ、おばあちゃんどこにいるの?」
リビングに行くと、机に手紙が置いてあった。
「月、悪いけどおばあちゃん少し遠いところに買い物に行ってくるからちょっと待っててね」
なるほど、そういうことか。でも「少し遠いところ」っていう言い方はなんかやめてほしいな。
部屋に戻り、すぐにユーチューブを開いてあの声の配信者を探す。やはり人気なのか、すぐ見つかった。
「月光(ライトヒカル)か。3年前から活動しているVtuberで、登録者は87万人。名前が俺の月を使っているのか偶然なのか知らないが、少し気味が悪いな」
もう一回動画を見ても、やはりあのときの犯人の声にしか聞こえなかった。さすがにもう急に大声を出したり、精神がおかしくなったりはしなさそうだ。不安だったが、まぁ良かった。
「でもなんで犯人だとしたらこんなことをやっているんだ?お金が足りなかったとしても、二人も殺しておいてこんなことをやるか?普通」
まぁ好都合だ。俺にトラウマを植え付けたあいつに、俺はずっと復讐したいと思っていたんだ。でも相手が本当にあいつかどうかも分からないから、とりあえず月光について調べてみよう。
「俺はお前を徹底的に追い詰めてやるぞ..」
そう決意を固めて、俺は月光について調べることにした。
復讐系Vtuber @1226_Z5-R9CR7
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