二人して、雨の底に微睡む。

タイトルからして好きなのです。
そしてこの憂鬱で気怠い空気感が堪らないのです。
優しい語り口で、このアンニュイな世界観に引き込んでくれます。私たちにとっても身近な、雨の音と共に。

雨の日はまるで見えないカーテンが引かれたみたいに、広い世界と隔絶されたような気分になったりしませんか? 断ち切れない想いを孕んだ記憶に、静かに心が締め付けられるような気分になったりは。

このお話は、そんな雨の底に微睡むような男女の交わりです。
物憂げな表情をした若者たちの、愛おしき足掻きなのです。

ぜひ、この空気感に触れてみてください。
お薦めします(^^)!

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