グリーンシグナル
ウィンスター
エピソード 0 伝説の始まり
現時刻 23時50分
ここは静岡県にある清水平パークロード。
この場所は今でも「走り屋」と呼ばれる
集団が夜な夜な走っている。
パークロード沿いにある駐車場。ここで若い男性数名が車を並べて談笑していた。
『いやー、今日もなかなかの本数走ったわ〜』
『それな〜 ここの道は何回走っても飽きが来ないから良いよな』
『バトル申し込まれるのもすごい減ったよな。去年くらいは俺達にバトル挑んでくるやつらばっかだったよな』
『俺らが速すぎて皆諦めたんじゃねーの?』
男性3人の笑い声が駐車場に響く。
『ん?』
1人の男性が何かに気づく
『どうした?』
『1台、来てるような気がする』
3人は耳を立てて聞く。
遠くからだんだんと近づくエンジン音
そして鳴り響くスキール音。かなり飛ばしてきているのがわかる。
『久々に活きの良いのが来たな』
『どれどれ?どんな車か見てやるか』
エンジンの音とスキール音が目前にまで迫る。
『きたっ…!』
3人の前に1台の白のロードスター(ND型)が現れる。ブレーキランプが数秒点灯し、そしてそのロードスターは駐車場前のコーナーをスキール音を立てながら速いドリフトで駆け抜けていく。
路面が悪いのにも関わらず、ものの数秒でそのコーナーを抜け、その車は次のコーナーへ向かっていった。
それを間近で見ていた3人。
初めて見る車両とそのドリフトに開いた口が塞がらない。
『な、なんじゃあ…?あの速いドリフト…』
『俺らの比じゃねえくらい完璧なドリフトだったな…』
『ロードスターであんな速いドリフトするやつ…初めて見た…俺ら…悪夢でも見てんのか…?』
あっけに取られ、しばらくの間無言になる3人。
そして1人の男性が言う。
『あのロードスター、初めて見るよな?』
『あの型のロードスターは割と見かけるけど…白のロードスターでここまで出来るやつは…俺は知らないぞ』
『あの走りは、ここの道を相当走っているな。ブレーキングポイントも完璧だったし…。しかしあのロードスター…いつ走ってるんだ?』
『もしかしたら俺らが走る時間より遅い時間に走ってるのかもな。それか俺らが単純に気づいてなかっただけか』
『初めて見る車がいたら流石に俺らも気づくはずだよ。この時間に来るメンツはほとんど変わらないんだし』
『言われてみれば…そうだな』
そしてまた無言になる3人。
遠くからスキール音がまだ聞こえる。
相当攻めているのかと3人は驚く。
『今日の所はもう解散にしようぜ…。時間も時間だし…。そのロードスターの情報あったらメッセージ入れといてくれ』
『了解、俺も走ってる友達に聞いてみるわ』
『俺も先輩に聞いてみる』
『んじゃ、お疲れ』
『あーいお疲れ〜』
『お疲れさんです〜』
3人はそれぞれの車に向かい運転席へと乗り込む。3台のエンジンがかかり、順番に発進し、3台は白のロードスターが向かっていった方向へ
走って行った。
彼らは白のロードスターのドライバーが
女性である事、そしてこの先大物になる人物だとはこの時はまだ知る由もなかった…。
グリーンシグナル ウィンスター @Winstar_088
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。グリーンシグナルの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます