エピソードIV 今度こそ
そして無事に到着し、それぞれが配置につく。
『只今より、機械乗術を始めます。
今回のサイクロン社の代表選手ロイド・マークス、ロバート・ガローニ。
パーシヴァル社代表選手はセレヴェ・アーサー、エリシア・セイレン。
インディバル・パーシュート社の代表選手は
グラビティ・タニティード・エース、トラファルガー・クエンシードです。』
そのままコンバットシステムを起動しいつでも戦えるようにした。さあ、行こうか。
『位置について…よーい…』
くるぞっ!!
『ドン!!』
「先に私らが前に出る!!君たちは下がってろ!!」
その後、トラファルガーと共に一気に前に出た。
「トラファルガー、左やれ!私は右をやる!」
『あいよっ!!』
そして原子力光線銃をフルチャージでぶっ放して右を一気に制圧。
トラファルガーは一気に変形し、ガトリングで蹴散らした。
『君たちすごいな!』
そして制圧後、一気にダッシュしたが、どうにもこっちは重量で負けてる。
ここでパーシヴァル社がリードする。さすがは空力お化けだ。
そして歩行平均台に入る。安定性はうちの会社の十八番だ!そのまま一気に歩き、終わらせる。
そうしていると狙撃の時間だ。
『ここは私に任せてくれ。』
どうやらガローニがやるようだ。
そしてガローニの方を見ると、背中のアサルトキャノンが変形して、パルスキャノンになった。
そして一気に対象を全て破壊した。
精度、破壊力共に恐ろしい。
「すごいな!」
『どうも。』
移動狙撃のエリアに進むと、ロイドがカッコつけて狙撃しようとしたが、思いっきり全て外した。
『はぁ…』
「もういい。私がやる。」
『よろしく。』
そして原子力光線銃を的に全て当てて、次に進む。
そして森破壊エリアに到着。名前だけ聞くと環境家に殺されそうだが、問題ない。
『私たちに任せて!!』
あの二人が息を合わせて前に出た。
するとさっきまでは剣の形だった物理サーベルが一気に変形し、チェーンソードになった。
しかもエネルギ連結式で、場合によっては何メートルも間を延ばせる。
『ちょっと危ないよ!地面から離れて!』
そして少し上空に行くと、一気に彼女はそのチェーンソードを振り、森を全て薙ぎ払った。
なんという威力だ。触れただけでああなるとは。恐ろしい。
森を全て薙ぎ払い、次へ進むとそこには超デカい壁があった。
要塞用のコンクリートでできている。とんでもなく硬くてデカい壁だ。
『アサルトキャノンでなんとかできないか試してみる。』
そしてガローニがアサルトキャノンを撃つが、びくともしない。少し壁に傷がついたくらいだ。
なんだこれ?
私も原子力光線銃をフルチャージで撃つが、これもびくともしない。硬すぎる。
トラファルガーやエリシア、セレヴェ、そしてナンパ野郎もやってみたが、どれもダメだ。
そしてしばらく考えてみた。
あっ、そうだ!まだあの手がある。
パーシュート三型のトランクを開け、
長距離狙撃用の原子力光線銃を改造して超大型化した大砲を出す。
「トラファルガー、内部搭載のガトリングを外してくれるか?」
『まさかあれ使うのか!わかった。パージするぜ。』
そして彼は変形し、ガトリングを外した。それを私のトランク部分に引っ掛けておく。
『何をするの?』
「元は長距離狙撃用のエネルギー大砲だ。威力はアサルトキャノンと同じくらいだが、
こいつに全員の出力をつないで、無理矢理チャージして発射することで壁を破壊しようと思っている。」
『わかった!なら出力ケーブル出しておくね!』
「物分かりが良くて助かる。」
全員のケーブルをトラファルガーの機体に繋ぎ、キャノンをチャージする。
『緊急安全弁全閉鎖!タービン回転数通常より百五十パーセントオーバー!出力回転数問題なし!
システムオールクリア!』
「よし、撃て!!!!」
青い閃光が走る。そして一気に壁まで伸びた。
ドゴーーーン!!
だいぶ煙が出た。
さあ,どうだ?
頼む!!
『だいぶ煙いな。』
『行きましたかね?』
そしてだんだん煙が晴れると…
あ、空いた!
『おっしゃあ!!』
「やったな!!」
そして次に行ける…と思ったが、どうやらやりすぎたようだ。隣の射撃場までも破壊してしまった。
ま、まずい…
でもいっか。
さて、次の長距離狙撃のエリアに行き、トラファルガーをまた変形させて、狙撃をした。
精度の化け物、サイクロン社には勝てないが、かなりいいな。
的を全て射抜き、次のエリアに行くと、第五等級のアームドスーツ待っていた。
「やるぞ!」
そのまま各々で交戦した。私の相手は近接タイプだ。
ランスで勝負を仕掛けてくるが、あれっ?難なくかわせる。まだまだ未熟だな。
次の突きが来た時にスッと交わし、このままオーバーヘッドショルダーチャージをお見舞いした。
そのまま相手は倒れ伏せた。
さて、他のみんなはどうかな?
まだまだ戦ってるねぇ。
『エース!お前人生何回目だよ!?いくらなんでも早すぎるだろ!何?これが俗にいう天才?』
「ははっ、人生一回目だ。ただ、人の何倍もど根性でぶち抜いてきたから自分で言うのもなんだが、
自分で叩き上げた才能だ。ってトラファルガー!口を動かすより手を動かせ!」
『教官かよ!まあいいけどよ!』
私は背後から原子力ライフルで援護し、誰も損傷することなく終わらせた。
『エース、強すぎるだろう。私らの何倍も早く終わらせるなんてとんでもないな。』
『そうね!すごいと思う!』
「どうも。次は移動要塞破壊だぞ。準備はいいか?」
『もちろんだ!!』
全員が気を合わせたようにして次のエリアに進んだ。するとそこには移動要塞バスターがあった。
あいつら殺す気か?
まあいい。全員で力を合わせれば勝てる。
「よぉし!行くぞっ!!」
「スリー、ツー、ワン、アタァック!!」
そのまま私は移動要塞の下に回り込んだ。エリシアと共に。
「エリシア!一緒に内部に潜り込むぞ!これだけの巨体だ。中を突かれればおしまいだ。」
『そうね!やりましょう!』
「トラファルガー、ガローニ、セレヴェ、頼んだ!!」
『任せなさい!!』
『任せておけ!エース!』
『任せろや!!』
もう一人は知らんがまあいいだろう。
「エリシア、そのまま中のハッチをぶっ壊して入るぞ。」
『はい!』
エリシアのチェーンソードでハッチを切り刻み、中に入り込んだ。
「時間をかけずに行くぞ。」
『そうね。急がないとみんながピンチね。』
「そうだな。行こう。ついてきてくれ。」
『はい!』
そして二人で内部の護衛システムをぶち壊しながら進む。そしてそのまま進むと、変圧器についた。
「まずはこれを壊す。離れててくれ。」
『その間に防衛システムを乗っ取っておくね。』
「え?乗っとる?まじかよ。すごいな。」
『多少の心得はあるからなんとかしてみる。』
そう言って私は変圧器を爆発しないように内部にうまく爆弾を仕掛けた。
そしてその間にエリシアを守る。
「護衛システム掌握まであとどれくらいだ?」
『あと少し!!』
そしてしばらくすると、防衛システムが攻撃しなくなった。どうやら掌握したようだ。すごいな。
『できたよ!これで動き放題ね。』
「よし、やるか。」
そして次々に変圧器とサブジェネレーターに同じことを繰り返し、また元のデッキから出た。
『エース!遅いぞ!死ぬところだった。』
「悪かったな。花火の準備が大変で。」
『花火?』
「まあ,みなさんお楽しみの あれ だ行くぞ。」
『ああ、やっちまう気か、エース?』
『何かさっぱりわからないわ。』
『なんだろうね。』
「さあ行くぞっ!!花火の幕開けだ!!」
そして私は仕掛けた爆弾を一斉起爆した。
ゴォーーーン!!!!
凄まじい轟音と共にサブジェネレーターから火が上がる。こいつはすごいや。
『ウッヒョーこいつはすごいや。』
『思った以上ね。』
『相変わらず綺麗な花火だぜ。全く、やってくれるぜ。』
『綺麗な花火ね。』
「ああ、全くだ。」
そして花火を眺めていると、放送が流れた。
『フィニッシュ!!お疲れ様でした!!次の競技はバイクレースです!!開始は三時間後です!!』
「お疲れ!!」
『お疲れ様ぁ!』
『今日は楽しかったわ!!』
『そうね!!』
『わたしも楽しかった。』
「そいつは良かった。…ところでバイクレース出るやつって他にいる?」
『私たちは出るよね。』
『私は出るぞ?』
『エース、忘れてねぇよな?』
どうやら全員出るみたいだな。今度は協力なしのやり合いだ。絶対に買ってやる。
『…か…ちら…モン…聞こえ…』
なにやら無線が来た。つないでみよう。
『こちらホークモン。聞こえるか。聞こえたら返事を。』
どうやらホークモンからだ。なにがあった?
「どうした?」
『聞こえたようで何よりだ。バイクレースの件だが、ガウスがさっきのテロ攻撃で負傷した。
足をやられた。』
「くそっ!!」
どうやら足をやられたらしい。誰かが補欠になるわけにもいかない。
もういい。こうなったら彼の分も走るか。
「仕方ない。こうなったら私が彼の分も走る。」
『上層部にはそう伝えておく。』
無線を切り、機体を三番デッキに再び戻し、急いで輸送機でバイクレースの待機場所まで行った。
「ガウスがやられたって?」
『ああ、今救急室にいる。』
「そいつは気の毒だ。ところで許可は降りたか?」
『一応降りた。』
「じゃあ頑張る。」
『頼んだ。あと、トラファルガーには後で伝えておく。』
「了解だ!」
山の麓は綺麗だ。ただ、ここで練習したとはいえど、不安は残る。
何せ、スペックもよくわからないバイクが多いからな。アルフォンスやガローニの種類ではない。
また別のやつだ。あと、ガローニはバイクメーカーの方だ。彼のことではない。
『スタート一分前。』
「了解。」
そして無線をする場所から待機場所に行くと、そこには見たことある影が…
「あっ、エースさん!」
「え、エリシアさん!?あなたはここ走るんですか!?」
「そうだよ。まあ,お互い頑張りましょう。ところで、一人が負傷したってね。大変ね。」
「ああ。まあ,それでも本気を尽くす。やれると思えばできる。」
「彼女がこんだけ元気と知ったら喜ぶだろうね。」
「もしかしてハーバリヴィアのことか?」
「そうよ。好きな人が元気っていいことじゃない?」
「そうだな。」
そうして二人で話していると、もうスタートしたようだ。馬鹿みたいにスーパースポーツのバイクで、
未舗装路を走るホークモンは滑稽だ。ただ、順位が最下位で差が開いてるな。
頑張れよぉー。
「やった!!今の所一位だ!!」
「良かったですね。私らはちょっとピンチかもしれません…」
「あなたなら巻き返せるよ。まあ、私は負けないけどね。」
「言ってくれますね。」
そして見ていると、トップと最下位の差は五秒後半になっている。まずいな。
『エース!バトンをトラファルガーに渡した!』
「了解だ。お疲れさん!」
『ありがとうございます!』
そしてトラファルガーのV6も唸り声を上げているがなかなか差が埋まらない。
こうなったらやるしかないな。
「もう間も無くバトンパスです!!配置についてください!!」
「じゃあ、行きましょうか。」
「そうだな。」
そうして私は自分のペガサスに跨った。緊張しているようだ。だが、機嫌は凄まじくいい。
頼むぞ!ペガサス!
そうしていると背後からバイクが来る。そしてエリシアが走り出した。そして次のバイクも続いた。
そしてトラファルガーも続く。
『よしいけ!!!!!!!!』
「あいよ!!」
一気にアクセルを上げる。そして一気に時速何百キロも出しながらコーナを曲がる。
大迫力のドラマだ。
そしてしばらくひたすらに斬るようなラインどりをして前との差を縮める。
一位とは四秒差はある。だが追い付けない差じゃない。
やるしかないのさ。
そしてひたすらにいいラインどりをしていると、もう前のバイクに追いついた。
あとはこのままテイルトゥーノーズに持ち込み勝負するだけだ。
さあ、ヘアピンカーブに来る。一気にインに行くぞっ!!
そしてアウトに振ると思わせるフェイントをかけてインに切り込み、立ち上がりの勝負をする。
軽さならこっちの勝ちだ!!
アクセルをフルで回し、回転数をレッドゾーンまで上げる。
よし!!勝った!!
あとはエリシアだけだ!!そして一気に回転数を上げる。
しかし、差が一秒以上埋まることも広がることもない。どうなっているんだ?
立ち上がりの勝負でこれだけ僅差となると、巻き返しが難しい。まあいい。着実に行こう。
そして終盤近くなると何とかテイルトゥーノーズに持ち込めた。
だがここで悔しいことに、直線が長い!!そんな簡単に抜けるものではない。
ん?待てよ、サーキットも走るわけだ。つまりそこで抜けば…!
まだ希望はありそうだ。
そう思った矢先、エリシアに隙ができた。今だ!!
そして一気にアウトサイドから抜く。下剋上は達成だ。あとは守るだけ…
というのも簡単ではない。
だってサーキット知らないからな!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
かなりまずい。これが初めてだからベストが出せるかどうか。
そしてバトンパス場所につくが、減速せずにそのまま走る。
そしてサーキットに入る。
しかし、コースレイアウトが難しい。よりによって走ってないため、それがより厳しく感じる。
そして手間取っている間に、サイクロン社のチームに抜かれた。
ってあれガロー二じゃあないか!!
そしてまたもう一台にも抜かれて三位になる。もうあと残り七周。
また五秒の差を埋めなくては。
焦るなよ…
まだいける…
一回ペガサスの声に耳を傾ける。お前は何がしたい?どう走りたい?
そしてゆっくり話す。
…そうか。分かった。
私はまたアクセルを全開に吹かし、コーナーをインで制した。
そして二位のポジションの輩を抜かした。
よし!!いける!!
そしてまたペガサスに身を任せる。
どうやら生きているようだ。
ただの機械ではない。何か熱い鼓動が伝わる。
そしてラストラップ。ついにガロー二に追いつく。
第一コーナーで一気にインを取りガロー二を追い詰める。
そして直線加速でも置いていかれないようにスリップにつく。
あとはこのまま。
テイルトゥーノーズだ!!
第十七コーナーで並ぶ。
熱い勝負だ。
そして最終コーナーで一気に横からガロー二を抜く。
ホームストレートだ!!
ガロー二と並ぶ!!
頼む!!
そしてゴールラインを踏むその瞬間…
時が止まったかのような静寂とともに祈った。
ペガサス…
お前にならいける!!
そしてゴールイン果たして結果は!?
『ゴール!!激しいつば競り合いでした!!さあいったい優勝はどちらの手に!?』
そしてバイクをピットインさせて待っていると、放送が流れた。
『タイムを発表します!三位、83:45:019で、パーシヴァル社!!
そして一位、二位は接戦でしたので、企業名を隠して発表いたします!
二位は83:39:897です。そして一位はなんと!!83:39:896です!!さあコンマ001秒を制したのは!?…』
とんだ接戦だ。いったいどっちが勝つんだ!?
『勝者は…インディバル・パーシュート社です!!!!』
「おっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
やったぁぁぁぁ!!!!勝ったぁぁぁぁ!!!!
これが本気の下克上じゃぁ!!!!
「速かったな。さすがだ。」
「ありがとうな。だがガローニ、君もすごいよ。」
「ありがとよ。」
勝負を終えて輸送機に乗って帰る。
「すごいですよエース!!良く僕がつけちゃった差を巻き返しましたね!!」
「いやあスゲーな!!前から上手いのは知ってたが、全国レベルとはすごいな!!」
「でもみんなもなかなかすごかったな。特にホークモン。」
「それは言わんといてくださいよぉ。」
「ハハハハハ!!それもそうだな。エース、やめてやれよ。」
「やめるもくそもあるか。まあ楽しくできたから、結果オーライじゃない?」
「…ところで、原子力光線銃ってどこに置いてきたんですか?」
「そりゃあもちろんここのトランクに…あれ?ない…!?」
まずい、ピットに置いてきたかもしれない。
やっちまった!!
「運転手さん!!戻ってください!!」
~インディバル・デイ~ちょっと?変わった運動祭 灰狼 @Hairow-001
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