エピソードIII 運動祭だぁ!!!!!!

そして迎えた本番。朝の四時に起きて会場に向かう。バイクの輸送はうちらの輸送部隊がやるそうだ。

出場式は今日の朝八時に行う。私たちはアームドスーツで現地に向かう。

「トラファルガー!元気か!」

『もちろんヨォ!!元気以外の何者でもないわ!!』

「そいつは良かった。今回の運動祭で勝つぞ。」

『優勝はもらうぜ。あと、エース一番初めの二百メートル走頑張れよ!!』

「ありがとよ!」

そうして私たちは機体をカタパルトに移動させ、そのまま会場に向けて射出した。

会場は何千キロも先の地点だ。

着くまでしばらく時間がかかる。このまま極音速の旅を楽しむとしよう。

『エースの四脚機体は安定してていいな。』

「そうでもない。空気抵抗がでかいからそこそこ出力出してるんだよ。おかげで振動がきつい。」

『リニアライフルの代わりに持ってきたその光線銃は今重さ的にはどうなんだ?』

「あまり変わってない。あと、朝の調整がかなり効いている。」

『そいつは良かったな。』

そうしているうちに到着した。だいぶ大規模な会場で、近代的建築だった。

さすがはサイクロン社。先進的なものをよく取り入れている。

『二番エレクト、入場して下さい。』

「了解です。」

サイクロン社はエレクトロニックカタパルトを使っている。

いちいちそう言うのも難だからエレクトと呼んでいる。その話を聞いたことがある。

まあ、うちらと違ってここは戦績ではなく単に長くいるだけで上級士官とかを目指せる。

ただ、それが嫌いで戦績至高主義であるうちの会社に来ることが多い。

とりあえずエレクトに着陸し、中のデッキに機体を駐機した。とりあえずあのライフルを持っていく。

アタッシュケース内の武器の保持は少佐より上の位のみが許可されている。

「代表ですか?お名前は?」

「グラビティー・タニティード・エース。陸上、機械乗術、バイクレース代表です。」

「階級章をお願いします。」

「ああ、私たちの会社は階級はこの制服で統一されてる。契約表を見てみてくれないか?」

「…大変失礼しました。エース大佐。どうぞ、待機室でお待ちください。」

「了解です。」

とりあえず私は待機室で他の部隊とともに待っていると、放送が流れた。

『それでは、代表の皆さん。入口にて待機して下さい。』

私たちは待機室から出て入場口で待機した。

『選手のみなさん、ご入場ください!!』そうしてサイクロン社,インディバル・パーシュート社、パーシヴァル社が同時に入場した。

そして私が入場した瞬間…

ガシャーン!!

謎のアームドスーツが侵入してきた。それも頭上から。

そしてそこらじゅうにライフルをぶっ放しまくっている。その後、さらにもう三機近くが現れた。

くそっ!

私は急いで、デッキに向かった。

そして私とサイクロン社の一人がが中に入った瞬間、後ろのシャッターが閉まった。

「くそっ!別れたか。」

「おい君!協力しないか?私の機体は三番デッキにある!それに乗って応戦しなければ!」

「そうですね。私の機体も三番デッキにある。ところであなたの名前は?」

「ガローニ、ロバート・ガローニです。一応サイクロン社のファイターです。」

「私はグラビティ・タニティード・エース、インディバル・パーシュート社所属戦闘手、大佐です。

よろしくお願いします。」

「ちょうどいい。ライフルはありますか?良かったら貸してくれません?」

「ライフルではなくバケモノとピストルならありますよ。」

「ならピストルくれません?バケモノは少し嫌ですな。」

「はいよっ!」

私はアタッシュケースを開けて、中からピストルを出した。

そして彼に渡した。あとマガジン五スタック分も渡した。

「よし、行きますか。後ろお願いします。

あと気をつけて下さい、これ下手したら誤爆する可能性あるので。」

「わ、わかりました。」

そして三番デッキに急ぐ。光線銃の出力は最低に落としてある。

この前改造して出力調整できるようにしたからな。さて進むとしよう。

そして進んでいくとやはりライフル構えている輩がいる。

「手を上げろ!!出ないと撃つぞ!!武器を捨てろ!!」

そうすると素直に相手は武器を捨てた。私はその瞬間に周囲を見て、相手に関節技を決めた。

「どこの差金だ?言え!」

「い、いってなるか…この戦争野郎どもが…平和のために…黒き翼よ、この世を覆え…」

そういって彼はピストルをとり自害しようとした。ただ、私は光線銃でピストルを弾いた。

「話さないならここで待ってろ。最高の一日をぶち壊しやがって。

いつもなら頭ぶち抜くところだが、お前は運がいいな。今日は足だけで勘弁してやるよ。」

私は奴の足を奴のピストルで撃ち抜いた。これでしばらくは動けまい。

「この先が第三デッキのようだ。おそらく今回は反企業勢力によるテロだろう。なんとかしなければ。」

「そうですね。エース、協力しましょう。」

その後また進んでいると、後ろでガローニが銃を発砲した。

「くそっ、後ろにもきてる。急がないと。」

「急ぎましょう!」

その後、第三デッキ入場用扉についた。

「多分この先には敵がうじゃうじゃいる。

気をつけて行こう。ガローニ、君はこのスーツケースを前に構えながら進め。

防弾だ。私はこっちので行く。」

「わかった。」

「行くぞっ、三、二、一、行くぞっ!」

光線銃でドアを撃ち抜き、蹴破った。

そして一気に目の前にいる二、三人を蹴散らし、近くの障害物を確保した。

ライフルを乱射してくる。おそらく十人近くいる。

出力をあげよう。三パーセントから二十パーセントに引き上げる。

そして引き金を引く。

「耳を塞いでおけ!ガローニ!!」

ドギャーーン!

ドゴーーーン!!

一気に相手のまとまっているところを爆破した。

そして安全を確認していると、第二等級程度のアームドスーツが来た。

「くそっ、アームドスーツか。フル出力、フルチャージで行く!!」

「まだこの上があるんですか?!」

「もちろんだ!」

相手はライフルをこちらに向けてくる。

その間に私は光線銃をフルチャージする。

青い雷がバチバチと銃身の周りを走る。そして白い光が銃口から出る。

「ガローニ!耳また塞げ!!」

そして相手のコックピットに向けて発砲した。

ガゴォーン!!!!

ドォーーン!!!!!!!!

相手のコックピットは木っ端微塵になった。そして胴体が吹き飛んだ。

少し汚染されているようだが、銃のバリアを大きくして、ガローニとともに進むことにした。

「ガローニ、なるべく私にくっつけ。今はバリアを展開してる。外は放射能汚染されてる。最悪被爆する。」

「わ、わかった。」

そうしてガローニをガローニの機体に送った。そして私は急いでパーシュートさん型に乗った。

「ガローニ、今無線をジャッカルしたからこれで協力してあいつらを倒すぞ。」

『そうだな。二人で頑張るとしよう。力をあわせれば勝てる。』

そしてデッキのカタパルトを無理矢理起動させて外に出た。

ガローニも第四等級だが、防御型だ。おそらく装備的に高域にバリアを張れる。

「ガローニ、君の機体ならバリアを展開できるはずだ。そして私はその間に制圧する。」

『ああ、エース、この武装実はアサルトアーマーに指向性を持たせる武器なんだ。

爆発的な火力と引き換えに弾速を捨てた武器さ。』

「なるほど。なら私がどうにかする。」

そして壊されたガラスから侵入し、そのまま下にいた機体を片付ける。

ガローニは奥にいる奴等をアサルトキャノン一発で三体同時に倒した。

そして全アームドスーツを制圧すると、代表選手の周りには人質を取る反企業勢力がいる。

どうしようもないな。

そう思った次の瞬間…

ガローニは細いホーミングニードルを飛ばして迎撃した。

『いいでしょう?このホーミングニードル。

対人および至近距離においてラジエーターをぶっ壊すための装備だ。』

「その装備、わたしたちにも欲しいな。」

『あげないよ。流石に今は味方だけど、これからは敵同士だからな。』

「ははっ、それもそうだな。」

そうして私たちは代表選手を怪我させることなく護衛することに成功したのだが…

運動祭が台無しになった。

とりあえずコックピットを降りて、

ライフル片手にシャッター開けると、中には敵がうじゃうじゃいた。

「お前等武器を捨てろ!!」

くそっ、まあいい、あとは引き金を引くだけだ。

「死んでもいいならいいんじゃない?」

そして私はフルチャージ、フル出力のライフルをお見舞いした。無論、全員粉々だ。

「さて、邪魔者は消えたことだし、運動祭をしようか…って、できないな。こりゃあ…」

そしてしばらく待ってると、上層部の一人が来た。

「これどうします?ほとんどの競技はできませんよ。できたとしても二つくらいです…」

「え?二つもできるんですか?」

「機械乗術と、バイクレースなら。」

「ならやったらいいんじゃないですか?

せっかくの四年に一度の運動祭、こんな終わらせ方はごめんですよ。」

「そうだが、安全が保証できない。」

「安全?企業はなんのためにアームドスーツを開発したんでしたっけ?

万能の制圧力および圧倒的機動力をコンセプトに初期型は開発されましたよね。

つまり、それで開発したにも関わらず安全が保証できない?

たった二機でテロを阻止する力を持つのです。

ここにはその万能の制圧力と圧倒的機動力を兼ね備えた強力なものがたくさんある。

それでも安全ではないと?」

「そ、それはそうだな。だがそれでも万全ではないはずだ。」

「なら自身の企業が作ったアームドスーツは万全ではないと?

それとも我が社や他社の作ったものもそうではないと?」

「そういうわけではない…」

「なら万全ですよね?それなら大丈夫ですよ。どうにかできます。」

「そうですね…わかりました。」

上層部を論破し、運動祭はおそらく再開するだろう。

『ただいま、テロの発生により、スタジアムで行う競技は本日は中止いたします。』

それは仕方ないよな。ガラス片が多く、施設の破壊度合いが大きい。

『ただ、屋外第二スタジアムや、レース用コースには問題がないため、

機械乗術およびバイクレースは予定を詰めて実行いたします。』

よっしゃ!!!!!!

『また、警備等は自社のアームドスーツ、または有志の人が担当するとします。』

さっきの意見の反映がされたようで何よりだ。

さて、始めるとしようか。まずは機械乗術をしようか。パーシュート三型もきっと楽しむぞ。

そしてデッキに向かって機体の状態と他のコンディションを確認してると放送が入った。

『連絡です。移動要塞二隻が動作不良およびセパレーティングバリア壊滅のため、

機械乗術は競技からパフォーマンスに変更します。』

それでも十分だ。楽しもうではないか。

「おっエース!!お前のおかげでなんとかパフォーマンスとかできるとよ!!」

「トラファルガー!生きててよかった!」

「俺はここで死ぬほどやわじゃねぇ。」

「そいつはよかった。」

そしてトラファルガーと話しているとまた放送が入った。

『機械乗術はパフォーマンスとなったため、

機械乗術選手は機体を第三デッキに集合させ、顔合わせ等お願いします。』

私たちは移動させなくていいようだ。しばらく待っているとガローニがこちらに来た。

「エース、このあとパフォーマンスになったようだ。いろいろよろしく頼むぞ。」

「ああ、こちらこそ。ガローニ。」

「ところでお隣さんは?」

彼はトラファルガーを見た。鋭いようで優しい視線にも感じる。

「ああ俺?俺はトラファルガー・クエンシードだ。軽量特攻機がメインの運用機体だ。

よろしくな!」

「私はロバート・ガローニだ。重量機がメインだ。よろしく頼む。」

「ところでだが、ガローニのペアは?」

「ああ、ロイド・マークスだ。軽量狙撃機メインの野郎だ。

今回だけペアになることで合意したが、それ以外はううっ、考えるだけで吐き気がするね。

まあ、奴がなかなかイケメンなのはいいが、あの性格じゃ…」

彼は怪訝な表情になった。

「そ、そうか。」

「あそこでナンパしているやろうがそうだよ。全く困る野郎だ。」

そして奴の方に指差した。ほんとだ。やってんね。撃ち殺そうかな?

「撃ち殺そうかな?」

トラファルガーまでその考えか。まあ、いいと思うが。

「やってくれ。」

なかなか恨んでいるようだな。一体何があったんだ?まあ想像はつくが。

そして細ーい目で見ているとパーシヴァル社の機体二機が到着した。なかなかかっこいい中量機だ。

そしてコックピットから降りてきたが、少しびっくりした。二人とも女性だ。女性騎手は珍しい。

「到着したようだな。」

「ああ、ナンパ野郎に絡まれる前に諸事情終わらせるぞ。」

そして二人はこちらに歩いてくる。なかなかに美しい人だ。

ただ、ナンパ野郎にやられないかが心配だ。

「どうもこんにちは。さっきは大変でしたね。」

「そうですね。あと、先に言っておくが、奥にいるナンパ野郎に気をつけろ。」

「安心してください。対応には慣れてますから。」

なんかすごい安定感がある。まさか慣れてる?まあ、でもそういう感じだ。対応に期待。

「ところで自己紹介がまだだったな。私はグラビティ・タニティード・エース。

あっちの赤髪が私のペア、トラファルガー・クエンシードだ。

何かあったら言ってくれ。一応原子力光線銃は持ってる。」

「よろしく頼むぜ!!」

「よろしくお願いします!!私はエリシア・セイレンです!ペアはセレヴェ・アーサーです。」

「よろしくー」

ん、セ、セイレン?

「ああ、エリシアさん、ハーバリヴィア・セイレンって知ってます?」

「ああ、私の妹ですよ。なんで知ってるんですか?」

「おんなじ大学の同級生で元カノなんですよ。なんですけど採用されなかったんですよ。

それで別れちゃって…」

「ええ!!」

随分驚いた顔だな。隣りのセレヴェのなかなか驚いてる。

「そうだったんですね!今知りました!…彼女、実はサイクロン社に行ったんですよ。」

「そうだったんですね…なら敵同士ですね…」

「まあ、わたしたちも敵同士ですしね。こんだけ仲がいいのもおかしいもんですよ。

戦争なんて今にもやめたいですよ。」

「ならなければやられる。誰かが作り出してしまった摂理だ。仕方ない。」

その一方で、セレヴェさんはトラファルガーに夢中のようだ。

よかったな。また四年後に会えばいいさ。生きてたらな!!

「そうだ、私も自己紹介がまだだったな。

私はロバート・ガローニだ。サイクロン社のあのナンパ野郎のペアだ。まあよろしく頼む。」

「よろしくお願いします。私はエリシア・セイレンです。

あそこでトラファルガーと話してるのがセレヴェ・アーサーです。」

それにしてもトラファルガーが珍しく引き気味だ。どんだけアタックされてんだ?

まあ、でもいい相性なんじゃない?

『間も無く機械乗術が始まります。出場選手はアームドスーツに搭乗し、無線を繋いでください。』

「さ、行くとしますか。」

「トラファルガー!!行くぞ!!」

トラファルガーを呼び戻し、機体の無線を繋いだ。

「お疲れ、トラファルガー。」

『めちゃ疲れたぜ…あの一瞬でよくあんなに喋れるもんだ…』

『みんな、聞こえるか。ガローニだ。とりあえずエースから出てくれ。』

「わかった。」

私から先にエレクトで射出される準備をした。

そしてそのまま射出され、編隊を組んだ。なんか一機足らないが、いいだろう。

どうせロイドだ。まあいいさ。そしてしばらく待ってると、後ろから来た。

『遅れちまった。罪な俺を許しt…』

『奴の無線は無くても困らん。いいだろ?』

『ナイスです!ガローニさん!』

『やりやがったな。まあこまらねぇからいいけどな。』

「踏んだり蹴ったりだな。面白くていいと思うぞ。」

無線をぶち切り、そのまま二番スタジアムに向かう。さて、ここからが本番だ。次はテロがないことを祈ろう。

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