第2話 蘇りと王都への滞在

潰れる、そう思うと同時に、力が湧き出る。

手錠が壊れる。

自由になった手で、私を押し潰そうとする天井を殴り、空間を作る。

「手錠を壊せるほどの力はあったようですが、潰れてしまうのは避けられなかったみたいですね。」

そういい、修道女がその場を離れる。

(今がチャンス!)そう思い、私は右手で天井を持ち上げ、左手で格子を破壊し牢から出る。

そうして、修道女に見つからずに外に出ることに成功した。



「ここまで離れたらもういいかな……」

そう言った私がいるのは、王都。この国の首都だ。

ちなみに、ここまで来る途中で朝日を見ている。

「止まれ。お前、年齢は?」

衛兵に呼び止められる。

「十五歳です。」

「神託は?」

「まだ受け取っていません。」

「そうか。通ってよし。」

嘘を付いているが、遠慮なく通らせて貰う。

さて、どこに行こう。

そういえば、騎士になれと言われて出て行ったイラが王都に家を買ったって聞いたな。

とりあえず、イラさえ良ければ今日は彼女の家に泊まることにしよう。

イラの家に着き、泊まる許可を貰おうとするが、二つ返事で許可された。

なんなら、一生住んでいいとさえ言われた。ただし、条件として毎日ご飯を作ることとなるが、それくらいは些事だ。

一つ気がかりなのは……あの地下牢に血痕がなく、私が生きていることがバレることだろう。

ただ、気にしてもしょうがないだろう。そんなことを考えながら私は夜ご飯の食材を持ってイラの家に帰るのだった。


何事もなく彼女の家に着き、私は彼女が帰るまでの間に夜ご飯を作る。

今日の夜ご飯はシチューだ。

「お野菜とお肉は入れたし……あとはここをこうして……。……よし、完成かな?」

この国の料理は大抵マズイ。

理由は……調味料をあまり入れてないからだろう。


まあ、何はともあれ私はイラが帰るのを待つのだった。

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《不死身》〜死ぬ度に強くなる能力を得た少女は、やがて永遠の死を望むだろう〜 ソラ @sora05105255

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