「光線ごっこ」
あづま乳業
光線ごっこ
蝉の穴おとながみんないったあと
硫黄川雨が産んだか鮎の影
スポイトに囚われており夏の川
桶にありザリガニとマイナスの空
てのひらにTrypoxylusDichotomus(トリポキシルス・ディショトマス)
しのびよるUFOの日の蝉の声
ソーダ水こぼし宇宙を引っ張りぬ
同居する影の怪獣扇風機
気球なくごつごつ雲の泳ぎいる
河童碑に生まれトマトと背比べ
うふふふふうふふふふふふ部屋に蝉
溝に伸び溝に尽きたるコキアの子
きゅうり馬おとなはとしをとるらしい
死の火なき空ふくらんで熱気球
迎え待つプール高さを失いぬ
逃げ水やバケツを抱いたひとりぼち
かぶと虫冷えた蛇口の水を汲む
桶にあり砕けた尾びれうろこ雲
秋の空一秒前の雲はなく
在りし日を撮らず秋めく河川敷
「光線ごっこ」 あづま乳業 @AzumaNyugyo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます