第4話 TS被害者②少年三人と被害魔物②オーク

「ぬ?───なぁんじゃ、ただの犬っころかいな。はぁつまらんのぉ。」


 どうやら市場が近いことも相まってあんまりにも魚臭かったので何とかしのげそうな場所を探して路地裏にさっさと入ったんだが、そしたらほんとに人が居なかった。


 せっかくTSさせてやろうと息巻いておったが、あんまり人が居ないもんでなぁ……なんつーか、まああれじゃ。退屈じゃね。


 いや別に片っ端からやってもいいんだけど、まあこれは当たり前の話になるのだが……わしだってよりすぐりはする訳じゃ。

 こうしたら……こんな風なやつができるかな?とかここの要素を反転させたらこうなるかな?とか。

 それを考えてよりすぐらぬと面白くもなんともないのじゃ。

 TSの醍醐味こと、現状の変化による様々な変化を見たいのであって。別に犬とかの変化を見たい訳では無いんじゃ、話も言葉も聞こえんしな。


 そんな事を考えながらわしは歩いておった。そしてとある路地を抜けた瞬間、隣から話しかけられたのだ。


「おいおっさん?金出せよ金!」

「きへへへそうだせぇ?この街で俺たちバットボーイズに逆らうわけねぇよなぁ?」

「やっちゃえルイくん!こんなボロボロな服のジジイなんて一発だよ!」

「そう言うこった、ほらさっさと有り金よこせよ?」


 3人の男に囲まれた。のでわしはとりあえず片っ端からTSさせてみた訳だ。


「───へ?」

「あれ?……って何何何?!」

「わ、私の息子が消えたあっ?!」


 唖然とする3人に向かい私はゆっくりと杖を構えると。

「──ほれ、ついでに服もひん剥いてやったぞ?……いやぁにしてもとてもいいメスの匂いを出ておるのぉ……そうじゃ……ココに他の漁師を呼んだらどうなるんじゃろうなぁ……」


「?!は、はぁ?!待て待て俺たちは男だったはず……何をしたんだお前っ!」

「?性別をひっくり返しただけじゃが?」

「性別をひっくり返し……は、はぁっ?!」


 何をそんなに驚いているんだろうねぇ。とわしは思いながら杖をしまうと、彼らの足を地面にめり込ませた状態でくるりと足の向きを変えて立ち去る。


 後ろから怒号やら絶望の声が聞こえるが、まあ気にするわしじゃないし!


 そんなこんなで数時間ほどわしは辺り一面を散策してきた訳だ。

 どうやらあそこに見える一本道を通れば他の街に行けるみたいだし、何よりその国にはどうやら騎士のような連中もいる可能性が高いことがわかった。

 ───騎士、騎士様を……TS……ぐへへ……それはもうすっごい反応をしてくれるだろうなぁ。


 その事を考えた途端、色んな意味で体のあちこちがぶるぶると震える。

 まあその中には多分普通に寒いってのもあったと思うけどね。

 だってわしボロボロの服のまんまだし。


 ────そろそろ服買いに行かねばのぉ……ってありりゃ?


 そうして戻っていく途中、先程拘束した奴らの一人を見つけた。

 どうやら彼以外はみんなされたようだ。


 ぐすっ、ぐすっ……と泣いている彼(彼女)。体には無惨にも体液がこびりつき、散々にいたぶられた跡があった。

 うーん別にあーいうのを見たい訳じゃないんじゃよなぁ……と言うかこの街性に飢えすぎてて気持ち悪いのぉ。


 わしはとりあえずその男の前に姿を見せる。


「───おーい、生きとるか?」


「…………うあああ……う……あ、あんたは……あんた、!、お前っ!」

「ほれ、喋るな。体がボロボロじゃないか。」

「───っ!誰のせいだと思って!!」


 体を拘束していたものを解除し、そのからだを抱きしめる。

「───懲りたか?流石に女になって晒された気分は?」

「───死ねクソジジイ。」


 もはやそれを言うことしかできないぐらいの疲れた顔であった。

 しかしなんというか、この子は実にいいぞ?

 わしの長年TSを追い求めてきた精神がそう言っておる。


 ◇◇◇◇


「お?目を覚ましたか?」


「────悪夢って続くんだなクソが!」

「悪夢かぁ。わしは昔悪夢を見たことが……」

「アンタ何人の性別弄っといてそんななんも気にしないみたいな顔してやがるんだよ!!」


 え?いやだってわし別に気にしないし。

 人の人生がTSによって壊れるなら、それもまた面白いなぁ位の感覚だし?

 まああんまり酷いやつなら助けてるんだけど、ほら……生意気なガキとかメスガキにする方がマシになるじゃん?

 そういうこともあるし……。


「気色悪いジジイだな。ってかあんたの良識どうなってんだ?!……ってそりゃ確かに出会い頭に金せびったのは悪かったと思うけど……にしても仕返しに性別変えられるとは思わなかったぜマジで……」

「?案外怒ってないんじゃな。」

「そりゃ……確かにいつもの漁師連中とは比べ物にならない野獣か何かを見たけどな。酷かったぜ……あの男ども…俺たちがワルガキだからって散々なことを罵りながら犯しやがって……ふん、でも俺はあんまりあいつらにも好かれてなかったんだろうな。……一人放置されたぜ……」


 ん?その顔もしかして……。


「もしかしてその放置プレイに興奮しちゃったパターン?」

「?!だ、だ、だ、誰がっ!……いや確かに少しだけ気持ちは良かったけどよ……」

「ふーん。なんかお主おもろいな。よし、決めた……君は今からわしの弟子じゃ度に連れていったら多分色んな顔見せてくれるじゃろうし、何より旅は変態が多い方がいい!」

「───急に決めてくるじゃん、ジジイ。まあいいけどよ、どうせ俺はもうあの街に居られねぇし。……ってか待てや、俺も変態扱いなのか?!」


「?事実じゃろ?放置プレイに興奮なんて変態しか無いし。」

「……まあいい、とりあえず俺の女体化解いてくれ。」

「?嫌じゃが?まあ適度なタイミングでといてやるよ」

「アンタ……いや……なんかすげぇやべぇ人何じゃねぇの?」

「知らん方がいいこともあるぞ?」



 そんなこんなでいきなりであった生意気な少年(少女)を弟子にしました!


 え?残りの二人の餓鬼?知らんなぁ。

 話によるとなんかその町の領主の元に送られて、とっても愉しい毎日をおくってるとか何とか……。

 その話をこの子【ルイ】ちゃんにしたら、死ぬ程引き攣った顔してたけど、忘れた方がいいよ?とだけ伝えたよ。


 ともかく私はそろそろジジイ言葉も飽きてきたので、いきなり美人なお姉さんになるのでした。


 んでその結果?こうなったよ。


「───あの?なんで私の胸から離れないんだい?君は。」

「───わりぃかよ?」

「いや構わないけど、なんか君……私が思ってるよりグイグイくるタイプかな?」


 馬車(魔法)に乗りながら私は新たに弟子にした【ルイ・ルナ】君(ちゃん)を撫でる。



 今日もTSがんばろーっと。


「あ、あんなとこにオークがいるじゃん。そうだ、ほいっと」

「アンタそんなに簡単に性別変換させてんのかよ……」

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出会ったヤツを片っ端からTSさせてみた。〜そしたら最凶ヴィランと呼ばれるようになってしまった件 ななつき @Cataman

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