たましいは金平糖でできている
たらこ飴
たましいは金平糖でできている
金色の茶漬けにするから泣くんじゃない泣くんじゃないぞなめ茸泣くな
光速で届けておくれセピア色の空き缶詰めた金糸雀の声
簪を眺むる人の美しき目と替わらんと瞬く我が眼
綺麗だと君は綺麗だと言うだけの歌が嫌いな私の飼い猫
蓮根の穴には孤独が詰まってるような気がするから早く食べよう
恋う人の名を叫ぶこと畦道で狐の面と出くわした時
冬眠をしていたんです借り物の静寂の肩抱き寄せられて
シトラスのシーシャの煙吐き出して酸欠になる脳は孤独だ
骨になる日が近づいて来たような面持ちで君はコーヒー啜る
鮮やかなソーダ割へと手を伸ばすいつか逝く君と逝きたい僕は
明け方の白い冷たいシーツには失うものなど何もないのに
朽ちてゆく音聴くような心地して着信音を止める指先
冷たいと一度きりの言葉だった春の来る前の真水のような
冬、君が死んだことにするもう二度と愛さなくていい呪文のように
瞬きをするたび鷺が飛び立ってもう戻れないような気がする
立ち直ることなどできない理性から引っこ抜かれた針をあげます
トルストイ脾臓のように抱きしめて君は夜明けの気球に乗り込む
地球儀の半分ずつを抱きしめてさよならを言う君は赤道
空色の列車の足跡を追ってどこまでもどこまでも行けば会えます
明け方に響く赤子の産声を想って握るスポンジの泡
たましいは金平糖でできている たらこ飴 @taraco-candy
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます