その後のおれ

第20話 空白の半年間

 ……


 なぁ~にが「俺はこの上なく、幸せである」、だ。

 全然幸せじゃねえわこの野郎。


 お久しぶりです。

 半年ぶりに戻ってきました。

 開始早々荒ぶってすみません。


 あれからもうそんなに経ったのか。早いもんだな。

 俺は今も通院を続けていて、先日、精神障害者保健福祉手帳なるものの申請を済ませたところだ。


 そんなこともあって、ふとここに戻ってきたくなった。

 あまり面白い話でもないのだが、自分用メモ的な感じでいろいろ書かせてほしい。


 ◇◇◇


 発達障害という診断を受け、地面がぐらりと傾いた気がした。


 俺は普通の人ではなかったのだ。

 その現実をすっと受け止められるほど、俺は器が大きくなかった。


 それまで自分視点で「あたりまえ」だと思っていたことが、もしかしたら「あたりまえ」じゃなかったのかもしれない。「普通」だと思っていたことが「普通」じゃなかったのかもしれない。


 自分の中の常識や、思考して導き出した結論、そもそもこのおかしな脳みその中で行われている思考内容……全てに懐疑的になった。


 そして、普通ではないのに普通だと思い込み、持論を堂々と語っていた自分のことが恥ずかしくなった。

 自分の意見を言えなくなった。おかしいかもしれないから。


 そんな感じの精神状態でずっと過ごしていたら、あっという間にメンタルがおかしくなってしまった。


 はじめの方は極端に怒りっぽくなり、父親に毎日のように殺意を抱いていた。

 しばらくすると怒りという感情が湧かなくなり、全部自分が悪いんだと考えるようになった。(極端だな……)


 そして抑うつ状態になり、心療内科に行くたびに泣いてしまうようになった。


 ◇◇◇


 ADHDの薬を呑んでみることにした。

 薬を呑んだ人の中には「世界が静かになった」とか「コンタクトレンズをはめたみたいに世界がくっきり見えるようになった」とかいうくらい効果を感じる人もいるらしいのだが、私はそこまではっきりとは感じなかった。


 強いて言えば、暴飲暴食やムダな買い物の衝動がおさまったり、怒りが少々わきにくくなったりしたくらいかな。


 ただ、薬を呑むと胸やけのような苦しさが強く、気分もよくない。ゲップをすると苦い薬品の匂いがムワァと喉を通るのがキモかった。

 先生は、抑うつ状態が強くなったのももしかしたらADHDの薬が影響しているかもしれないと言っていた。


 私には処方された薬が合っていなかったようで、しばらくは呑まないことになった。


 ◇◇◇


 先日、精神障害者保健福祉手帳の申請をした。


 申請の際、証明写真を用意しておらず、慌てて近所の証明写真機でこしらえた。どすっぴんでパジャマみたいな恰好をしていたが、証明写真は証明写真だ。まあいいだろう。


 それより、心療内科の先生に書いてもらった診断書を見てびっくりした。


「主たる精神障害」の欄に、「自閉症スペクトラム症」と書かれているではないか。

 そして「従たる精神障害」の欄には「注意欠陥多動障害」と書かれている。


 ASD!? おれのメインそっちかよ!! メインはADHDの方だと思っていたわ!!

 ってか俺ASDとADHDの二刀流かよすげえなオイ!! 診断名付くのはADHDだけだと思っていたわ!!


「日常生活能力の程度」は「精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする」のところに〇がついている。

 これがどの程度の重さなのかは分からないが、たぶん手帳はもらえるっぽい。


 俺、日常生活に著しい制限を受けていたんだぁ。へぇ~。だから生きづらかったんだ~。と他人事のように思った。


 申請の結果は一~二カ月くらいで分かるらしい。

 また結果が分かったら書くかもしれない。

 今日はこのへんで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎日 18:00 予定は変更される可能性があります

俺、発達障害なんじゃね? @pospom

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ