理解できない 神奈川県庁の世界⑧

霧野 ぬん

第1話 通勤手当の次は、やはり変な出張費ですね。

通勤手当が変だと言えば、出張費も変。

神奈川県庁では出張費がぴったり支払われたことはない。

神奈川県庁(給与事務センターが計算しているが、大元は人事課)がけちるから、だいたい職員がその分を補填させられる。

「足りない分は、給料を払ってやっているんだからそれで払え!!」ってことだろうか。やはりブラック企業だな。

通勤手当や出張費を給料で補填するなんて聞いたことがない。


また、庶務事務システムという神奈川県庁のパソコンのシステムから入力するのだが、このシステムが、安い旅費の交通機関、交通機関を選ぶように促していく。

そして、このシステムの気に入らない経路を選んだ時には、なぜその経路を選んだか理由を書かなければならない。

例え、数十円高くても、10分早く着く方がいいと思うではないか。

でもそういうのは却下。

この経路ならいいだろうと思って、理由を書かないで入力する。

そうすると、神奈川県庁(給与事務センターが計算しているが、大元は人事課)から、「どうしてこの経路を選んだのか理由を書いてください。」と戻されてくる。

だから、ぬんは、「理由を書いてください。」と出てくるとどう書けばいいのと考えなければならないので、面倒だから、システムさんが選んでくれた一番安い経路を選んでしまう。

例え、足が出ても・・・。

そんなことばかり。


一例で言うと、ぬんがみなとみらい線で小田原駅に行く場合も、日本大通り駅から横浜駅に出て、東海道本線に乗って、ずっと小田原駅まで行った方が早くて、らくちんだとしても、システムは、無駄に相模鉄道で海老名駅まで行かせて、そこから小田急小田原線で小田原駅まで行くとか、そんな感じで経路を選ぶ。この理由は安いというだけである。

(これは一例なので、調べると、みなとみらい線→JRの方が安いかもしれませんが、もしそうだったら悪しからず)

自分で考えて、この経路選んだから、横浜駅から小田原駅まで、行かせてよって感じなのに、なぜこの経路を選んだか理由を聞かれるという。

よくわからない。

そこまで、システムに縛られているなんて、人間もとうとうここまで来ちゃったのかったのか。

県職員もここまでシステムにここまでバカだと思われているのか。。。


出張費と言えば、ちょっと前のことだが、出張で小田原まで行ったことがある。

帰り、大雨で相模川が増水し、東海道本線も小田急小田原線も不通になったことがある。

横浜にあるぬんの家までどうやって帰ろうか、さんざん考えたあげく、ぬんは唯一動いていた新幹線で、新横浜経由で帰宅した。

それで、システムに入れたら、案の定、システムさんが「どうしてこの経路を選んだのか理由を書いてください。」と戻してきたので、そのまま、「相模川が増水し、東海道本線も小田急小田原線も不通になったため、新幹線を選ぶざるを得なかった。」と書いて提出した。

そうしたら、今度は人事課のグループリーダーらしき男性職員から内線電話がかかってきて、「県内の小田原から新幹線代なんて払えませんよ。小田原からは東海道本線も小田急小田原線しかダメです。」(本当に役人的融通の利かない考え方・・・)と言われた。

そこでまた、新幹線しか横浜に帰ることができなかったという事情をまた説明した。

それでも、また、「そんな近場の小田原から新幹線代なんて払えませんよ。」と言ったので、さんざん言い合った挙句、最終的にそのしつこさに負けて、「では、東海道本線の乗車券代で結構です。」と言った。

ぬんにしては、最高に譲歩したつもりだ。

だって、新幹線代は特急券代が高いし、自腹なんだから。

それなのに、そのグループリーダーが言ったことは「ダメです。霧野さん、その距離だけ新幹線に乗っていないでしょう。新幹線は神奈川県を斜めに走っているのだから」とのことだった。

「え?」

さんざん言い合った挙句の果ての呆れて涙が出た瞬間だった。

そして、最終的にこのグループリーダーが言ってきたのが、地図で小田原駅から新横浜駅を定規で測り(新幹線もまっすぐ走っていないから、新幹線の距離でもダメだそうで・・・)、直線の最短距離を計算し、それでJRの何キロ、いくらという表に基づいて、出張費をくれた。

あー、出張費で給料を補填した。まただ。


神奈川県庁(大元は人事課)って、どこまで気が利かないのかわからない。

他の自治体や民間企業もそうなのだろうか?

そんな人間の心を持たないひどい扱いをされたら、出張なんてばかばかしくて行く気にもならない。

遊びで小田原に行っているわけでなく、仕事で行っているんだから、かかった交通費ぐらいきちんと払ってほしい。

(あ、でもこのグループリーダー、小田原に出張できるぬんが羨ましくて、妬みになっていたのかも。)

給料が安い上に、⑦で書いた通勤手当でも持ち出しがあり、出張費でも持ち出しがあるなんて知ったら、神奈川県庁に入庁する人なんていなくなると思う。

出張の終了報告するスマホも私物ですしね。


何だか情けない出張費のお話でした。


今日は、これでおわり。


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理解できない 神奈川県庁の世界⑧ 霧野 ぬん @kiri-nun

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