★や♥じゃない、意図せず出来たであろう変な形のピノ見つけたみたいな。


 人はなぜ陶芸にあれだけのロマンを抱いてしまうのだろう。

 よく考えてみたら、焼いては割るを繰り返す気難しいオヤジのイメージしかないのに。

 そんな陶芸を別にやりたかったわけでもないけど、部室の雰囲気が良かったという理由で入部してみた作者。

 なんだかんだ終わりまで居そうな気もしたが、とある事情で一瞬で退部することに。

 どういう経緯でそうなったのかというと……?


 肩の力を抜いて読めるエッセイ。



 良いエッセイを読んだ際の充実感は、他のジャンルでは代えがたいものがある。

 自分と地続きでありながら、別の視点から投げかけられる不思議というか、気付きというのが、滋養になるというか。

 この作品は最初から最後まで駆け抜けていったけれど、この出会いに関しては、きっと後になって「そういや、何にも当てはまらない感じの読んだっけ……」と振り返ることになるのだろう。

 走馬灯に登場してきそうな一作。