【短歌の部/二十首連作部門】『夢』

天鳥そら

第1話『夢』

いつもみる夢にみるひとあなたじゃないあなたじゃなくて隣の友達


うたたねの合間に差し込むビジョン目が覚めたら何も残らない


途切れない独り語りを聞いた夜その続きを夢でも聞いてる


壮大な夢を見たよう思うのにあなたに話すといつもの風景


夢でいい夢でもいいと思うのに決してでてこない幻のあなた


龍になる龍の背に乗るどちらがわたしどちらも同じ雲を割りたい


日常の繰り返しを夢に見るハタと気づくこれは夢だと


夢をみた心残りを夢にみたただの心残りだったあなた


殺される夢愛されている証だと知っても怖い知ったからこそ


正夢になればいいと思ってもいつも空振り夢は願望


暗闇に手をのばして空を掴む見てない夢はまっくらやみだ


声がする歌が聞こえる夢の中どこで聞いたの知らない歌よ


夢日記書こうとしても霞のよう頼りなげな欠片を紡ぐ


前に見た前に来た場所立っている今夜のわたし何をするのか


気づいたらはじめましてもいらなかった途中からみるラブストーリー


夢でみた場所現実でさがす異世界の扉開こうとする


閉園のディズニーランド入場だれと一緒楽しかったけど


映画館のスクリーンにどよめくうつったの未来それとも過去


手を握る知らないあなた目覚めたらぬくもりしか名前聞いたのに


帰りたいまだ遊べるよ目覚めたら朝の五時過ぎもう一度遊ぼうか






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