彼が好きな人が私はスキ!

神石水亞宮類

第1話 彼が好きな人が私はスキ!




“彼が好きな人が私はスキ!”



私の幼馴染の彼とは子供の頃から、大人になった今も仲が良くて、

たまに彼と会ってお酒を飲む仲だ!

彼になら何でも私は話せるし、“好きな人の話や恋バナの話など彼に相談したり、

ただ聞いてもらったりしていた。”

“そんな中、彼が私に【大事な話がある】と呼び出される。”



『ごめん、待たせた?』

『ううん、今来たところ!』

『そう、何頼んだの?』

『“先に生ビール2つ頼んでおいたよ。”』

『やっぱり美鶴は、気が利くよね。』

『そう? でも良喜にそう言われると照れちゃうな。』

『噓ばっかり! なんで皆、美鶴のいいところが分からないんだろうね!』

『なによ、どうせ私はモテないわよ!』

『“本当にイイ女なのにね!”』

『“じゃあ、責任取って良喜が私の彼氏になりなさいよ!”』

『・・・その話なんだけど。』

『えぇ!? 大事な話って、私の事がスキって話?』

『バカ! 違うよ。』

『なーんだ、つまんないの!』

『・・・あ、あのね? 俺はさ、ずっと美鶴の事は親友というか? 

大事な友達だと想ってるんだ! でもさ、一つだけ! 美鶴に話してない

事があるんだよな!』

『えぇ!? 何?』

『“俺さ、実は、男性が好きなんだ。”』

『えぇ!?』

『ビックリだよね? 今まで話したことないし、ずっと黙ってたから、

でもさ、もうこのタイミングで美鶴に言わないといけないって思ったから!

俺さ、人生で初めてこんなにも心から好きな男性が俺の前に現れて、

どうしても自分の気持ちを相手の男性に言いたいって思って

だから、これからは俺の恋愛の話も美鶴には聞いてほしいんだ!』

『そっか、ごめんね良喜! 気づいてあげられなくてさ。』

『・・・み、美鶴、』

『なによ、泣かないでよ! 私も泣きそうになるじゃない!』

『ごめん、そんな風に言ってくれると思ってなかったからさ、』

『バーカ! “私達、親友でしょ!”』

『・・・ううん。』

『もう泣かないの!』

『そうだね。』

『“じゃあー今日は飲もうー! 良喜の恋を成就させないと! 私も頑張る!”』

『はぁ!? なんでだよ。』

『なんか今日は嬉しいのよ!』

『じゃあー飲むか!』

『うん!』



・・・なんとなく、私は分かっていた。

彼は幼馴染だし、彼が私を女として全く見ていないコトも。

思春期の時は、私は良喜に恋心を抱いた事もあったけど?

今の関係を壊したくなかったから、良喜には口が裂けても自分の気持ちを

良喜には言えなかった。


でも? 今日、良喜から話を聞いてなんだか“腑に落ちた”と言うか?

納得出来たし、自分の心のモヤモヤもスッキリしたわ。

だけど? まさか、私は彼が好きになった男性をこれから好きに

なるなんて想ってもみなかったの。

彼が私に彼の好きな男性を会わせてくれると言って会った時、

私は一瞬で彼の好きな男性に一目惚れをしてしまった。



『彼女が俺の幼馴染の美鶴です。』

『あぁ、川嶌美鶴です。』

『良喜からよく美鶴ちゃんの話は訊いてたよ。直接会って見ると? 

物凄く美人な女性なんだね。』

『先輩! 美鶴の事と褒め過ぎですよ!』

『バーカ、なんでそんな事言うのよ!』

『“本当に仲が良いんだ! 羨ましいよ。”』

『私達みたいな関係の友達とか居ないんですか?』

『“オレは男女の親友なんてないと思ってる奴だから、古臭い考え方

なんだろうけどさ。”』

『でも俺達、ずっと親友ですよ。』

『そっか、オレのこの考え方を壊してくれよ!』

『“ずっと親友だよな美鶴!”』

『うん、私は男女の親友はあると思います!』

『そうだね、二人の関係性を見たら、そうかもしれないって思うよ。』

『“少しは考え方、変わりましたか?”』

『まあ、そうだね。』



・・・この後、私は良喜によく誘われて3人で会う機会が増えていく。

そのうち、私と彼の好きな男性と二人きりになる事もあり、

二人だけで連絡を取るようになって、“そのまま男女の関係に。”


分かっていた! この男性は親友である良喜の好きな男性。

分かってるのに、私は彼の好きな男性を嫌いになれないのよ!

それどころか、日に日に好きになってく。

もう自分ではどうする事も出来ないところまできているの!

だけど? 親友の彼を裏切りたくもない!

“私は一体? どうすればいいのだろう?”

二人の男性を私は傷つけたくないから、3人が幸せな

選択を私はしなくてはいけないと想っているわ!



“でも? そんな事って? 本当に可能なモノなの?”

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彼が好きな人が私はスキ! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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