10月6日 ユニスラキにて

ある日曜日のことである。兄弟は朝からユニスラキに夢中になっていた。

なぜなら、今日がイベントの最終日だからだ。

『今日も来なかったね』

『そりゃ、そうでしょ』

『まぁね』

『『こう』くんはともかく、『神』くんはユニに帰ってくると思うかい?』

『私は帰って来ないと思うね。そういう『らいめい』はどうなんだい?』

『兄さんの言う通り、私も来ないと思うよ』

そう言って、コーヒーを片手に『ミハイル』は席に着いた。

『んじゃ、ボス戦始めますか』

『そうだね、始めようか』


ロード中……


2人の前にボスが現れた。

小柄なボス。ボスは素早い動きで2人に襲いかかった。

『っ……速すぎだろっ』

何とか『ミハイル』は避けたものの、『らいめい』は攻撃をもろに受けた。

『『らいめい』!!』

『私は大丈夫、それより兄さんはボスに集中して!!』

『了解!!この後、その後ろから雑魚3体出てくるから気をつけてね』

回復のポーションを『らいめい』に投げたあと、『ミハイル』はボスに向かって発砲した。

見事、ボスの動きが止まる。

『さっすが、!!』

『でしょでしょー。私、作者だからなんでもわかっちゃうからね』

これは『こう』も『神逆らう者』も知らない、兄弟2人だけの秘密。

そう、実はユニスラキの作者は『ミハイル』なのだ。

『ボスは、ここが弱点!!』

そう言いながらボスの角を折った。

悲鳴をあげるボスにお構いなく、もうひとつの角に向かって攻撃をし始めた。

『兄さんはやっぱり強いね』

そんなことを言う『らいめい』は雑魚を倒し続けていた。

『ちょっと今回のイベント、雑魚強くしてみたんだけど、どう?いい感じ?』

『そうだね、私だから倒せるけど、他のプレイヤーからすると結構難しいと思うね』

『ありがと』

そう言って『ミハイル』はもう1本の角を折った。

2人の画面にはクリアの文字。そして、獲得アイテムには見事限定品が。

『よっしゃ!!』

『やったね!!兄さん!!』

2人は勢いよくハイタッチをした。


そうして2人の長い長いイベントは幕を閉じた。

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うんこと僕 番外編その1⟡.· あヤッピー @aaaaaaayappie

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