部屋住だった彼が大きな波にのまれ、壮大な物語へと発展していきます。

主人公、花坂弓削之介さま。

彼は、部屋済みの次男坊でありました。しかも、藩主の息子の次男坊。

自由に好き勝手にやんちゃな次男坊がある日、海辺で握り飯を食べながら、長崎土産にブドウで造ったお酒に思いを馳せておりますと、なにやら、海で騒ぎが起きている様子。

次男坊とはいえ、お家を守る花坂藩の弓削之介様、舟を出して様子を見に行きます。

すると、どうも鴨川藩の賊らしき者たちが武家の船を襲っていました。

この時代、藩は、一つの国ですね。大変なことが起きていると、襲われている船を助けたのが、彼の運命を大きく変えていく事になります。

助けた船に乗っていたのは、元気なお姫さまでした。


作者様の筆力のおかげで、江戸時代の内容も細かく細部に描かれています。

弓削之介様とお姫様は今後どうなっていくのか。

ちょうど、自分は弓削之介様のお好きなお姫さまから、何やら不穏なお手紙をもらって、どうしよう……と青ざめる彼の場面までいきました。

素直に文を送ればいいのになあ、と思いつつ、そうはいかないですね。

じれったさもあり、江戸の美味しい物など遊びなど、現代とは違った日本についても学べます。

ぜひ、オススメいたします。

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