蜥蜴から飛躍する究極の空想

その街は造り物だった。

太陽は直接眺めても目は焼けず、建物は白紙、空は厚紙。
その上にフィルムが重ねられ、夜が来る。

すると住人達は人ならざる異形に変わる。
だが実は、逆なのだ。

彼らの望みはただ一つ。
それを成就するための必要な物、方法も知っているのに、

それは決して成功せず、彼らは昼が来るたびに記憶を失い、一からやり直す。
いつまでも。

幻想的で味わい深い短編。