最終話:君は最高に素敵な女神様。

シルビリアースでの出来事がうそだったように俺とリンデは俺の世界で

平和にすごしていた。

前の世界樹が枯れたことで、リンデにも影響がでるかと心配したが世界樹が

新芽を出して再生したので、リンデには特に影響はなかった。


でも、油断はできないんだ。

このまま世界樹が健やかに育ってくれればいいけど、そんな保証はどこにも

はないわけで、いつかまた同じような危機がおとずれるかもしれないだろ?


心配の種はつきないわけで、でもそんなことは俺にだって言えることだし

いつかこの地球だって、太陽だって寿命が来るだろう。

それは50億年先の話かもしれないし明日突然おとずれるかもしれない。


それは誰にも分からないことなんだけど・・・。

それでも俺たちは明日に希望を持って生きてかなきゃいけない。


シルビリアースでの戦争も冷戦状態に入ってるらしく徐々に日常を取り戻しつつ

あった。

争いごとなんかないほうがいいんだ。

結局、最後は悲劇以外なにも残らないんだから。


ようやくだけど、シルビリアースにも平和が来るんだろうか?

そうなったら、リンデのワルキューレとしての役目も終わるのかな。


ってことはリンデは、この先も俺の世界で俺と将来を過ごすってことになる

わけで・・・俺が社会人になったら、その時はプロポーズなんかしてみようかな?

なんて俺は思うようになっていた。


でも女神様を嫁さんになんかしてもいいのかな・・・。

女神様だろ?・・・女神たって、本来は神様だよな・・・。

俺なんかが神様の旦那って・・・ほんとにいいのか?・・・

恐れ多くないか?・・・。

でもリンデがいいって言ったら、いいんだろうな。


俺は、改めて思うんだ。

リンデが生きててよかったって・・・。

もし、リンデがこの世から消え去ったら俺だって生きていないだろう。

俺とリンデの繋がりは世界樹との繋がりより、もっと強く繋がってるんだ。

だからこそ、リンデを失いたくない。


世界樹のことがあってから俺は少しナーバスになってる気がした。

気持ちを切り替えてリンデの前では明るく振舞っていた。


ルートガルザとヴェーラも喧嘩をしながらでも仲良くやってるようだし、

絵里子と陽介も、俺の新居に遊びに来て、みんなで賑やかにやっていた。


ルートガリザは俺んちと一緒で、ヴァーラの尻に敷かれてるみたいだな。

喜怒哀楽が激しいヴァーラの性格に対して、ルートガルザの、のんびり

した性格が合ってて、おまけにルートガルザには包容力があって優しいから

上手く言ってるんだろう。


俺だって包容力あるし、優しい・・・思いやりだってあるほうだって思うけど。

自画自賛したって意味ないけどさ・・・。


そして、いつもの朝、いつものように俺はめちゃ早くリンデに起こされる

わけで・・・。


「起きて・・・お〜き〜て〜」

「セイちゃん・・・朝だよ」


「もうちょっと・・・もうちょっと寝かせて」

「今日は日曜日だろ・・・大学休みだし・・・」

「休みの日くらい、寝かせてくれない?」


「こういうのはね、ちゃんと習慣付けないと、だらしなくなるんだよ」


でもって、いつもの顔じゅうリンデのキスだらけ、ツバだらけ・・・。


「ん、もう分かった・・・分かったから、起きるって」


「早起きは三文の徳だよ・・・」


「毎回、それ言ってない?」

「徳なんかいらないよ・・・俺にはリンデがいるんだから・・最高の女神様が

いてくれたら、徳なんかいらないの 」


「また〜うまいこと言って、なにか魂胆があるんでしょ」


「魂胆なんかないよ・・・ないけど・・・」


「ないけど?・・・なに?」


「ないけど、ある」


「なにそれ・・・」


「ないの?、あるの?」


「あるよ・・・」


「やっぱり何か企んでるんだ・・・」


「楽しいことならいいだろ?」


「まあセイちゃんが今何、企んでるかなんてだいたい分かるけどね」


「お〜なんだよ・・・じゃあ言ってみてよ」


「言わない・・・言っちゃうと、そう言う状況になっちゃいそうだから」


「リンデって意地悪だよね・・・普通そこまで言ったらおっけーして

くれるでしょ」


「そうだね、シリビリアースでは私のために頑張ってくれたもんね」

「そのお礼をしなくちゃね・・」


「あのさ、目覚めの一発って言って、あれって夜するより気持ちいいんだって。


「えっ?目覚めって・・・?」

「うそ?・・・朝からするの?」


「ここまで話を持ってきといてスルーしたりしないよね?」


「しないと収まらないんでしょ・・・この性欲魔神」


「リンデだって・・・性欲女神」


「まあ失礼ね・・・私はセイちゃんほどじゃないからね・・・」


「朝から、ラブラブでけっこうですね」


「お〜い、俺たちの寝室にまで入ってくるのか・・・ルートガルザ」

「しかもヴァーラまで一緒だし・・・」


まあ、このふたりには部屋に鍵をかけたところで意味はないんだ。


「朝から、しようって相談か?・・・退屈しないね、あんたたち」


ヴァーラが呆れたように言った。


「ヴァーラも今朝は特に綺麗だね・・・」


「あら、お世辞言ったってなんにも出ないわよ」

「それに、よその女を褒めたりしたら彼女がヤキモチ焼くわよ」


「大丈夫だよ、俺の彼女は寛容な女神様だからさ・・・」


「お〜言ってくれるわね」


「セイちゃん、浮気なんかしたら、一生お預けだからね」


そう言ってリンデは俺にくっついてきた。


「分かりました、女神様」

「でも俺にはこんな最高に素敵な女神様がいるのに浮気なんかしようって気に

なる訳ないだろ・・・?」


楽しそうに笑うリンデの笑顔・・・これ以上ないくらい眩しい。

俺の女神様はいつだって輝いてるんだ。


ルートガルザにヴァーラ、俺とリンデ・・・これからも四人仲良く・・・そうだな

絵里子と陽介も入れてやるかな・・・。

六人仲良く幸せな毎日がずっと続けばいいと俺は思った。


この先、何が俺たちを待ち受けているか、それは分からないけど夢と希望を持って

世界で一番大切なリンデとともに生きてゆく。


最強の乙女戦士と、そして最高に素敵な女神様とともに・・・。


おしまい。

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俺の彼女は超女神様なんですけど・・・。{my precious goddess} 猫野 尻尾 @amanotenshi

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