第5話 リーフグレース

俺達は、街の木々や花々の美しさに目を奪われた。

外の世界とは違い、街は緑で溢れか選っていた。

俺はレイチェルの耳元で囁いた。

「木や花は、本物なんだな」レイチェルは、足元の花を見て頷いた。


「あっ!絶対事項を教えておくね。町や周りにある草木や花を、むやみに傷つけないでねん」

「傷付けたら、どうなるの?」レイチェルは、花を摘もうとしてた手を止めた。

「ヤバイ!としか言えないよん」ヤバいって、どうヤバいんだ...

「葉っぱもだよな?」俺の横で飛んでいるネオを見た。

「落ちてる分には、構わないけど..........................」

「おい!構わないけどの続きは?」

「あ~~、気になったんだねん」

「当たり前だろ💢」

「葉っぱも木から、ちぎらないでねん。家に行くでぇ」

周りの家並みは....多分...コンクリートと木で出来ているのだろう。

俺達が住んでる家に似ている。

道は舗装されてないし、道の両側には綺麗な花が植えられている。

「とても良い香りが、漂ってるわね。幸せな気分になってきたわ♪」


暫く歩くと、妖精達が多くなり、賑わいをかんじた。

商店街が並んでいる。両サイドに、店舗があり売り子が大きな声で呼び込みをしている。

様々な妖精や魔女.ドワーフ達が、新鮮な野菜や果物等を売っている。

俺とレイチェルがキョロキョロしてると、大きな声で

「おーぃ!ネオ、誰を連れてきたんだ?」

「イギニトさぁん。森でね、人間拾って来たの♪」

魔女の黒い帽子を被り、灰色の服を着た男性がが声を掛けてきた。

リアムとレイチェルは、小声で

「魔女の帽子?男の魔女か?ほんで、今、拾ったって言ったな、言ったよな...】

「うん。でも拾われたからね💦」イギニトは、リアムとレイチェルを珍しそうに見て

「ウォッホー!人間は、久し振りだなぁ」

「そうなの?僕は初めて見たんだ」ネオは、イギニトの店の商品を見ている。

・・・語尾に ”ん”付いてねぇ。普通に喋ってんじゃねぇか!俺達にだけかぁぃ💢

〔そっかぁ、2人とも小けぇから街を危険にする事は無いだろ!あっはっはっはっ」

イギニトは、魔女顔で怖いと思ったけど...優しそうだ。

「僕ん家に連れてくの」

〔おー、そうなのか。後で差し入れしてやるよ〕

「ありがとうぉ。待ってるね」

「さてぇとぉ、商店街の外れに僕の家があるからねん」

... ”ん”...復活してんじゃねぇか?

飛んでる、ネオの後ろを付いていくが、周りからの視線が激しい。

商店街の中を掻い潜り、人混みは少なくなった。

少し歩くと「着いたよん」左に屋根が紫色で木で出来た、家ががあった。

「今日は疲れてると思うから休んでねん」ネオは扉を開けた。

中に入ると、こざっぱりとしたキッチン、リビングがあり奥には火釜があった。

ネオは、木で出来た (木だと思う) 机に俺達を誘導した、

「ここに、座ってねん。イギニトさんが晩御飯、持って来てくれるから食べたら寝室に案内するねん」ネオは、火釜に行き湯を沸かし始めた。

カチャカチャと、食器の音がしてラベンダーの香りが漂ってきた。

ティーカップを持ったネオが

「今日だけやでぇ。僕が、お茶を用意するのはねん」

俺達は、お茶を受け取り

『ありがとう』と言った。ラベンダーティーで、疲れた体が少しずつ癒されていく。


椅子で、休んでいるとイギニトが扉を開けて

「ほらよ。たらふく食えよ」とパンと野菜とハムの、サンドイッチを沢山持って来てくれた。

「ありがとう。イギニトさん♪明日、頼まれてた花を植えるからね」

「頼むぜ!俺も家に帰って母ちゃんと、夕飯にするさ」イギニトは、机に夕飯を置いてネオの家から、スキップするような足取りで帰って行った。

「じゃ、食べようか」「うん」俺達は、がっつく様にサンドイッチを食べ始めた。

ネオが、もじもじしながら

「リアムぅ~、ミルクあるのかなん?」欲しい物の時だけ可愛いふりすんのかよ💧

「今日中に、飲みきらないと腐るかんな」俺はミルクを、ラベンダーティーの入っていた、からのコップに注いだ。

3人でミルクを飲み、サンドイッチを頬ばった。

「お昼の、お弁当を食べるの忘れてたわ」

「俺もだ!」ネオは、興味深々に俺達のバッグを見ている。

リアムとレイチェルは、お弁当のサンドイッチを出した。

「これって❗チーズとバターなん!」ネオは、ヨダレを垂らしそうな勢いで聞いてきた。

牛が、居ねぇって言ってたもんなぁ...

「食うか?」「いいの?」俺は、ネオにサンドイッチを渡した。

「私のも、食べて」

「レイチェル、ありがとう❤️」

俺には、ありがとうは無いんだな...

「僕、街の名前を教えてへんかったねん。リーフグレースだよん」




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