第4話 門

 茶色の柵に、見えていたのは、街の門だった。ゆうに、10メートルの高さがある。

「でっけぇ、門だなぁ」

「こんな大きな門を通る、大きな妖精が居るんでしょうね💧」

俺やレイチェルの家の屋根なんか比べ物になんねぇな...

上の方に、見張り小屋らしき物が見えた。

「さてと、門番に報告せんと。ちょっと待っててねん」ネオは門の上の方に飛んで行った。ネオは、あっという間に小さくなって見えなくなった。

・・・・あいつ語尾に絶対に”ん”つけるなぁ...癖か?方言は、怪しい関西弁の筈なのに・・・

「おー!ネオ出掛けてたのか?」

「町の外の木を癒しに行ったけど、人間2人拾って来た」

小屋からネオは、癒した林を指差した。

「拾って来たってぇ...また迷い込んで来たのか、何十年ぶりだぁ?」ドワーフの

伯父さんは、小屋椅子から降りて窓から下を見下ろした。

「解んない、放っ置くと危ないから、連れて来たんだ。町に入れても良い?」

「あぁ、構わんよ。2人の名前と歳は?」伯父さんは、机に戻り引き出しを漁っている。

「リアムが男の子で、レイチェルが女の子。2人とも9才だって」

「名前と歳を書いたから通行証を持ってけ」葉っぱで出来た、通行証に名前と年を書きネオに、手渡した。通行証には、紐が付いていて首から下げれるようになっている。

「ありがとう。シェード伯父さん」

「それより2人を、どぉすんだ?」

「僕の家に泊めるよ」

「お前は優しい子だなぁ」伯父さんは、ネオの頭を撫でた。

「門を少しだけ、開けてくれる?」

「おぉ、開けるから、お前は下に行っとけ」

「はぁーい」

「後で様子を見に行くからなぁー」

ネオは下に降りながら、大きく伯父さんに手を振った。

ネオが、急速に落ちてくるように下に降りてきた。

「あっ!降りてきたわ」

「お待たせ、これは通行証やから無くさんといてねん。」ほいっ、ほいっとリアムとレイチェルに投げた。

「葉っぱだよな?枯れないのか?」

「枯れないよん、樹脂で覆われてるから」

ブラスチックみたいな感じに仕上がっている。緑色の葉に、白い文字で大きく名前と年齢と人間と書かれていた。

「首から、掛けておくの?

「うん、その方が町の人に覚えて貰えるしねん」

大きな門が音を立てて開いていく。どうしても、段ボールに茶色の絵の具を塗ったように、俺には見えた。固定観念を捨てないと...

「さぁ~!入るのねん」

俺達は、街の中に足を踏み入れた。

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