ダンジョンモノとして支持しています

本作はダンジョン探索編 → 国に仕えて軍務編 → 世界統一編 の三章仕立ての小説です。

個人的には、チートも何も持っていない裸一貫から成り上がるダンジョン編が最も熱中して読めました。

本作の最も目立つ特徴は、場面描写の細かさだと考えています。

ランタンによって生まれる影の揺れまで細かく描写されていたり、主人公がひたすら洗濯するシーンが恒例行事になっていたり、場面の雰囲気やキャラクター達が生み出す生活感などを大切にしている印象があります。

ダンジョン編の途中からチート装備を手に入れたことにより、無類の強さを発揮していくようになるのですが、このおかげで文字通り向かうところ敵なし状態になり、軍務編以降に緊張感が皆無となっている点は賛否が分かれる点だと思います。

戦記モノとしての本格的始動となる世界統一編以降、駆け足気味となっている点も個人的に惜しいと感じました。なにせ敵はいるものの、主人公が圧倒的過ぎてほぼ何も出来ていません。また駆け足気味になることで描写の細かさも影を潜めています。

私が本作を推す理由は、ダンジョン編が非常に面白かったからです。

裸一貫から成り上がるダンジョンモノが好きな方には特におすすめできます。

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