第6話
朝———。
カーテンの隙間から陽光が差し込み、自ずと目が覚める。
昨日は色々あったとはいえ、どっと疲れた———。
そんな疲れが一気に睡魔と変化して、ボクはぐっすりと寝てしまったようだ。
ベッドで半身を起こす。
大きく背伸びをすると体がバキバキと嫌な音を立てる。
そんな歳じゃないのに………。
とはいえ、なぜか清々しい朝だ。
心身ともにすっきりとした—————。
「—————ん?」
その時、ボクはある異変に気付く。
布団の足の方の布団がこんもりと山を作っている。
ボクは寝るときに人形や抱き枕と言った類のものを使ったりはしない。
だから、こういった余計な山盛りをすることはない。
ボクは恐る恐る布団をはがす。
「———————!?」
そこにはスヤスヤと寝息を立てる美雪さんの姿が!?
「み、美雪さん!?」
「………ふにゃ………」
彼女はお下げではなく、ストレートの黒髪をさらりとなびかせながら、目をこする。
「ど、どうして美雪さんがここに!?」
「え? あ、あれ? 私、部屋を間違えたのでしょうか!?」
目をキョロキョロとさせ、自身にやましいところはないと言いたげだったが、その演技があまりにも下手すぎる。
棒読みも良いところだ。
そ、それに——————、
「ふ、服が乱れてます!」
「え? あ…………」
どうやら彼女はパジャマを着ていたようだが、上着のボタンが外れて、彼女のお胸がポロリとしている。
彼女は顔を真っ赤にしつつも、ボクの方に厳しい視線を送る。
「み、見ましたよね……?」
「ふ、不可抗力です! 故意ではありません!」
とはいえ、朝からそのような素敵なものを拝ませてもらったら、血流が良くなり性剣がフル準備してしまうのが本能というもの—————。
美雪さんの前で、ボクはセクハラ行為と訴えられても仕方ないくらいの状況が出来上がる。
「あ、い……いや、これはですね………!」
ボクは何とか弁明しようとする。
間違いなく、美雪さんのような性格だったら、「楓さん、編集長に訴えますからね!」とまるで自分には過ちはなかったかのような態度で軽蔑してくるだろう……。
が、そうはならなかった————。
目の前にいる彼女は、顔を真っ赤にしつつも、その表情は蕩けており、涎を垂らしながら、何とも卑猥かつだらしない表情をしていたのである。
「………み、美雪さん?」
「あ……も、もう……ダメですぅ…………!!!」
そう美雪さんは叫ぶと、鼻息荒くボクのスウェットのズボンを力任せに脱がせる。
ボクは頭の中が混乱した。錯乱した。回路がショートして失神しかけた。
あ、あの陰キャな感じが漂っていた彼女がまるでまたたびを得た猫のようにボクの性剣を眺めている。
「てか、恥ずかしいから駄目です!」
ボクは力任せに引きはがそうとしたが、美雪さんの力はボクのそれを上回った。
ボクが頭を押さえつけても無理。開けられていた大股を閉じようとしても無理だった。
「ど、どういうこと!?」
「ああ………こんな臭い……嗅がされちゃったら、サキュバスなんて一溜まりもないですよ」
「サキュバス?」
「はい♡ 私、人間とサキュバスの血を引くハーフサキュバスなんです。だから、食事をたまにとらないと精力の枯渇で死んじゃうんですよ……」
「い、いや、いきなりそんなこと言われても、理解が追い付かない」
「追いつかなくても大丈夫です♡」
ボクが抵抗するが、彼女はそのすべてを撥ね退けて、性剣をふんすふんすとかぐ。
やめてぇ———————っ! めちゃくちゃ恥ずかしいんだけれど—————っ!
「今朝、すっきりしてませんでした?」
「——————!?」
「まあ、その反応はイエスってことですよね? そりゃスッキリとしてると思いますよ。昨日、あれだけ不完全燃焼状態だった精力を一気に昨晩の間に、
「えっ!? 吸い取られたの!? で、でも、ボクの体ヤつれてないよ!?」
「それは加減をしたからですよ。マンガの世界でサキュバスに襲われて死んじゃうのは、精力の枯渇が原因ですから。気持ちよくて、自分自身はまだまだヤれるんだって勝手に幻惑や魅了を受けていて勘違いしちゃって、限界以上に出しちゃうからです」
「あー、じゃあ、ボクは美雪さんがちゃんと加減してくれたから………、て、そう言う問題じゃないです! ボクはこの異常な状況に対してツッコミを入れたい!」
「あー、でも、食事ですから仕方のないことです」
「ボクが拒否したら?」
「楓さんは私が死んでもいいとおっしゃりたいんですね?」
ずるい。
そんなことを言われたら、拒否できなくなってしまう。
「…………じ、じゃあ、死なない程度に………」
「ありがとうございます!」
「で、でも、どうしてボクなの?」
ボクがそう訊くと、美雪さんは少し悩むような表情(と、いってもぶ厚い眼鏡は健在で、表情が読み取りにくい)をして、
「また、詳細はお話しさせていただきますね。あ、あと一つだけ先にお伝えしておくと、楓さんの精力が濃厚だからです」
「ヌイてなかったから?」
「いえいえ、そう言う話ではありません。最初から、『濃い』んです」
「最初から?」
「はい♡ あー、こんなことを言っている間に先走り汁が————! ではいただきますね! パクッ♡」
「ぬおぁっ?!?!?!?!?!?!」
その瞬間、これまでに味わったことのないような快楽が下半身を攻め立てる!
性剣が一気に彼女の舌に絡めとられ、搾り取られる。
抵抗する気にもならない。否! 抵抗してはいけない! 身を任せたい!
ボクは一気に力を解放されるような心地よさを感じた瞬間に精力を、彼女の口いっぱいに開放した。
これまでの自慰行為が嘘のような夥しい量だった…………。
て、これ毎日続けられたら、ボクは死んじゃうよね………。
次の更新予定
2024年12月13日 00:00
家に転がり込んできた陰キャな担当さんはサキュバスっ娘! 東雲 葵 @aoi1980
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