ダンジョン配信と因習村ホラーの奇跡的なマリアージュ

ダンジョン配信は舞台が現代である。
因習村ホラーも、まぁ最近はなかなかやりづらくなったけど一応舞台を現代に出来る。
故に、因習村ホラーとダンジョン配信は融合させられる。

……誰が思いつくねん、こんな発想!!

というわけで本作は現代ダンジョン配信モノでありながら、その根底におどろおどろしい因習ホラーが渦巻く奇作、怪作、そして傑作である。
ホラーと配信者が相性が良いことは昨今周知のとおりだが、そこにダンジョンを持ってくる発想はなかった。完敗である。

しかもこの作品はコンセプトの勝利だけに留まらない。
インターネットによって繋がった因習村と外部のギャップ、湿度の伴った因習描写、可愛らしくも恐ろしいヒロインたち、配信形式であることを利用した、掲示板や他媒体を交えて描かれる考察を掻き立てるモキュメンタリーホラー風の構成……と、ダンジョン配信ものとしても因習村ホラーとしても手抜きのない真摯さを見せつけながら、とにかく高い実力で先を読ませるのだ。
他に類のない、まさに唯一無二の怪作。是非ご一読をオススメする。

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