ぼんくらのタワゴト

藤野 悠人

ぼんくらのタワゴト

おや、どうしたんだい、お前さん。そんなにしみったれたツラをして。


ほう、死にてぇと。


じゃあ首でもくくりな。


え、試したけど、しくじったって。


じゃあ手首でも切りな。


ほう、痛ぇのは嫌と。


そんなら薬でもたらふく飲みな。


そんなに飲めねぇだと。


じゃ、もう高い所から飛びなよ。


はぁ、高所恐怖症だから無理と。


まったく、本当にどうしようもねぇ甘ったれの馬鹿だね、お前さんは。


そんなに死にてぇ死にてぇと喚くのが好きかい。喚いて悲しむ手前てめえが好きかい。うずくまって泣いてりゃ万事解決かい。


何も知らねぇくせにだぁ?


あぁ、知らないね。手前てめえで人に話しもしねぇのに、“知らねぇくせに”とのたまいやがる。


挙句の果てには、そんだけ能書き垂れる割りには、後生大事に握りしめて、きっぱり雑にも扱えねぇ手前てめえの命で人を釣りやがる。


そんなふてェ野郎のことなんざ、誰が知りたがるんだい。


図々しいったら、ありゃあしないよ。


一昨日来やがれ、クソガキ。


ついでなんだがね、そこにいちゃあ邪魔だからどいとくれ。もひとつ、ついでに言うなら他所よそでやんな。飯も酒も煙草も不味くならぁ。


死にきれねンなら、せいぜいマシな恰好ナリしてツラ上げな。


慌てたところで結果は同じ。どいつもこいつも仕舞いにゃホトケよ。


きっぱりさっぱり無様に生きな。


この世は諦めが肝心よ。

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