文章生成AI「Claude」にゾンビ同士の恋愛小説を書かせてみた
我那覇アキラ
プロットを渡して「Claude」に書かせた恋愛小説
本作はプロットは私が作って、それを元に文章生成AI「Claude」に書いてもらった小説です。
どれだけ書けるのかのお試し作品なので、推敲は一切やってません。
(Webでも読みやすいよう、改行だけはやりました)
******* 本編スタート! *******
「腹減ったぁ……」
廊下を彷徨いながら、トオルはぼんやりとそう呟いた。
右手は口に当ててあり、空腹を満たそうとでも企んでいるかのようだった。
「トオル!?」
活発な声が後方から聞こえた。ミズキが駆け足で近づいてくる。
「ミズキ……?」
「何してんの!? 危ないってば!」
ミズキがトオルの手を引っ張り、目の前に現れた。そしてトオルの頬を少し強めに叩く。
「はっ!?」
トオルはようやく正気を取り戻した。
目の前のミズキの顔色も、なんだかおかしい。
蒼白で、髪の毛も乱れている。
「ぼーっとしてたら、前の教室の生徒を食べちゃうところだったじゃない」
「えっ……マジで!?」
ミズキの言葉に愕然としたトオル。
見渡してみると、バリケードで区切られ、校内は荒れ放題になっている。
そう言えば、この間まで記憶があいまいなのだった。
どうにかしてゾンビになってしまい、己の空腹感に負けそうになっていたらしい。
「腹、減ってるよね……」
「私も……。だからって、人を襲っちゃダメだってば」
「……ごめん」
全身ぐったりとしたトオルに、ミズキは優しい表情を向ける。
「私たちもゾンビなんだから、仕方ない。でも、人を食べるのは最後の最後の最後の手段だよ!」
「う、うん……」
よくよく見ると、ミズキにもゾンビらしい特徴があった。
服が汚れており、髪は逆立ち、眼球が少し緑がかっていた。
「……それより、何か食えそうなものないかなぁ」
ミズキが周囲を見渡す。
そしてトオルの手を引いて歩き出した。
「探しに行こうよ。一緒に」
「ああ、うん……」
お互いゾンビということで、行動を共にすることにした。
空腹はますます募り、もうすぐ理性も保てなくなりそうだ。
それを理解した上でゾンビ化した前に絶対にしてはいけない行為はしないと心に決めた。
「あれ?」
ミズキが立ち止まり、物陰からゾンビがよろめきながら現れるのを見つめた。
全身が緑色で、とてもわかりやすい外見のゾンビだった。
動きも鈍く、ただブラブラと歩き回っているだけのように見えた。
「あれって、完全にゾンビだね……」
「言われてみれば、私たちが普通のゾンビに近づいてるのかもしれない」
「そうなったら、最悪だよね……」
ミズキがため息をついた。
「でも、きっとそうはならないよ! 私とトオルは、まだ人間の心を持ってるもん」
「は、はい……」
そう言われれば、確かにそうかもしれない。
体はゾンビ化しつつあるが、理性は保っているし思考力もある。
前を歩く背中を見ながら、トオルは胸の内なる想いが高まるのを感じた。
「これあるじゃん! 絶対、おいしいよ!」
放課後の教室をさまよっていると、ミズキがカゴに入った缶詰を見つけた。
「え、えっと……」
アルミ缶の表面は大きな傷があり、中味が腐っていそうだった。
ゾンビだから大丈夫なのかもしれないが、体調を崩すかもしれない。
「あれ、嫌?」
「ううん、その……腐ってる気がするんだけど……」
ミズキはしばし考えた後、トオルの方を向いた。
そして困ったような表情を浮かべた。
「そうだよねー。ゾンビに腐ったものとかどうなんだろう……」
ミズキがトオルを見つめた。
その視線に気付いたトオルは咳払いをした。
「な、何か……?」
「トオル……私の手、食べる?」
「!!??」
びっくりしたトオルが大きな声を上げる。
その割にはミズキは平然としている。
「そうそう、手の指でいいから、ちょっとだけ」
「ミズキ!? ちょっと待ってくれ!」
ミズキはトオルの前に手を差し出した。
トオルは戸惑いつつも、内心ではわくわくしていた。
大丈夫かな、と不安もあったが我慢できず、ミズキの人差し指に口を付けた。
そして舐めた。
「うん、おいしい……」
「そっか、よかった」
ミズキも同様に、トオルの指を舐めた。
「ふぅん。男の子の味もなかなかだね」
お互いを舐め合う光景は、それでいてロマンチックだった。
「な~んか暇だね」
視聴覚室の入り口前でミズキがぼやいた。
教室を探し回って一通り見終わったところだ。
「あっ、あれ」
トオルが手にしたのは、ゾンビ映画のDVDだった。
「映画でも観ようよ」
「ゾンビ映画!?」
「そう、ゾンビが題材なんだ。ゾンビ同士なら観ても面白いんじゃないかなって」
「そうだね、面白そう!」
ミズキはすかさず賛成した。
二人は視聴覚室の中に入り、DVDを再生した。
「うぁははは! これ、ゾンビ映画だよね!」
「うんうん、おかしいよね。私たち自身がゾンビなのに」
映し出される映像は過激なゾンビの蘂取り場面だった。
血しぶきを上げながら人々がゾンビに食い殺される様は、滑稽でありながらも気味が悪かった。
「でも、ゾンビは別に襲ってこないしね」
「そうだよ。人間のほうが私たちを避けてる」
「襲われたらどうしよう……」
「へっ? トオルが怖がらなくちゃ!」
ミズキがトオルの肩をぽんぽんと叩いて盛り上げる。
二人で肩を並べ、おどけた雰囲気の中、しばらくゾンビ映画を楽しんだ。
「ふぁ~疲れた」
上映後、ミズキが大きくげっぷをした。
スクリーンから目を離さず没頭していたのだろう。
「そうだね。でも面白かったよ」
「うんうん。ゾンビっていいな!」
トオルがDVDを手にしながら言った。
「私らはこんな風になる前の人生がまだ思い出せない。なんだかモヤモヤするよね」
「うん……。でもこの映画観ててなんか思い出したよ!」
ミズキが嬉しそうに小走りで視聴覚室を出ていく。
トオルは戸惑いながらもその後を追った。
やがて、二人は以前の自分たちの教室に辿り着いた。
落ち着いた雰囲気の中、床には日が差している。
「ここだ!」
ミズキが指差したのは、壁際の自分の机だった。
その上には鞄が乗っていて、かばんにぶら下がるキーホルダーがある。
「この、ゾンビのキーホルダー。トオルがくれたんだよね?」
「え、ああ……」
思い出した。
それは去年の12月のことだった。
クリスマスに向けてグループで買い物に行った際、ミズキがこのキーホルダーを欲しがっていたのを覚えていた。
「俺が買ってあげたよね」
「うん!ありがと。とってもうれしかった記憶がある」
目を細めて微笑むミズキ。
トオルの胸がきゅんとした。
当時、好きだったミズキにプレゼントして喜んでもらえたことが、とてもうれしかった。
また、ミズキの机の脇には、自分の元々のかばんが落ちていた。
それを漁ってみると、中にはクラスの遠足での写真が入っていた。
「この写真……」
そこにはミズキとトオルの姿があった。
クラスのみんなで乗り合わせた遠足の写真で、二人は座席が近かったらしい。
微笑み合う二人の表情が印象的だった。
「へぇ、私たち仲良かったんだね!」
「う、うん……」
胸が高鳴るのを感じた。
ミズキは、そんなトオルの様子に気づかないでいる。
昔から好きだったミズキと、よく二人で話をしていた記憶がよみがえってきた。
しかし、なかなか想いを打ち明けられずにいた。
そんな過去があった二人だったのだ。
「あ、もしかしてこれ……」
ミズキが立ち上がり、トオルの元の机の上に置かれた小物を手に取った。
それは、男女の人形がくっついた可愛らしいキーホルダーだった。
「これ私からあげたの? プレゼントとか」
「ああ、違うよ。俺から……君に」
はっきりと覚えている。
去年のホワイトデーにこのキーホルダーを買い、ミズキにあげようと思っていた。
真面目なトオルにとっては思い切った行動だった。
しかし、返り咲いてからはミズキとの接点が増え、プレゼントしたくなったのだ。
「そうなんだ。もしかして……トオルは私のこと?」
「う、うん……」
人差し指をくるくると回しながら、トオルは視線を合わせられずにいた。
ミズキはすくっと立ち上がり、トオルに向かって歩み寄った。
柔らかな手でトオルのほっぺたを撫でた。
「ねぇ、ずっと前からそうだったの?」
「うん、前からずっと……好きだった」
トオルの告白に、ミズキは嬉しそうに微笑んだ。
「そうなんだ。ありがと、トオル」
「ミズキ……?」
ミズキはトオルの両頬を優しく撫でながら、ゆっくりと顔を近づけていった。
トオルは心臓がバクバクと高鳴るのを感じた。
そして、二人の唇が重なり合った。
はじめは控えめなキスだったが、次第に情熱的になっていく。
トオルはミズキの柔らかい唇の感触に酔いしれ、意識が遠のきそうになった。
しかし、ふと我に返る。
自分たちはゾンビなのだという事実が頭をよぎった。
赤い情熱に我を忘れている場合ではない。
「ん、んぐ……」
ミズキの口から泡を吐きながら、トオルは必死に引き離そうとした。
しかし、ミズキの手は簡単には離れそうにない。
「ミズキ……や、やめよう……?」
「ふぁ……? あ……ご、ごめん……」
ようやくミズキもハッとしたように顔を引いた。
ミズキの瞳は緑に光り、顔は歪み始めていた。
そう、今の状態では、お互いがゾンビだという重大な事実を忘れがちだった。
ゾンビの本能により、相手を食い殺してしまいそうになっているのだ。
「うう……危なかった。危なかったよトオル」
「うん、危なかった……」
お互いに深くキスをしたせいで、お互いを捕食しそうになってしまった。
キスしている最中は人間だったかのような錯覚に陥ってしまったのだ。
心行くまで愛を確かめ合うことすらも、許されない存在、それがゾンビという生き物なのだ。
「でも……ううん、やっぱ後悔してない」
「ミズキ?」
ミズキはトオルの腕に自分の手を乗せた。
愛おしそうにその手を撫でながら言った。
「ね、もう一回だけ……舐めさせて?」
「え……?」
ミズキは小さく舌を出し、トオルの指を舐めた。
そして自分の指もトオルに舐めさせた。
「ごめんね。全然ロマンチックじゃない。でもこれが今の私たちにできる、一番の愛し合う方法なんだ」
ミズキが泣きそうな表情で言うと、トオルの胸が痛んだ。
しかし、それでも納得せざるを得なかった。
お互いの指を舐め合うこと。それが、二人が精一杯の愛の行為なのだと。
「ミズキ……」
トオルはミズキの髪に顔を埋めた。
互いの体温と、愛する人の香りが、今の二人の全てだった。
時間が過ぎるにつれ、どんどんゾンビらしい特徴が出てきた。
視力も低下し、思考もおぼつかない。
徘徊する以外に目的もなくなってきた。
「ねぇ、トオル……私たち、このまま人間に戻れないかもしれない」
ミズキの顔は半分くらい緑色に染まり、しわがれた状態だった。
口からは泡を吐いている。
感情も薄れつつあり、今まで大切にしてきたものが分からなくなってきた。
「うん……そうかもしれないね」
トオルも同様で、もうほとんど他の理性のあるゾンビとの違いは見分けがつかない有り様だった。
その場にいるミズキの存在すら、ただの獲物にしか見えない時が来るかもしれない。
「だからね……もうこれ以上記憶を保てる自信もない」
ミズキはぼろぼろの制服を着崩し、トオルの近くにしゃがみ込んだ。
そして疲れ切ったような声で言った。
「幸せだった思い出は、あまりない。学校の生活が平凡でつまらなかったから」
「………」
「でも、今はちょっとだけ幸せが思い出せる」
「え?」
トオルの反応を見て、ミズキは苦笑した。
「キスをした時のこと」
「……………」
その言葉にトオルは無言になった。
確かに人生最後の思い出になってしまうのかもしれない。
それでも大切な思い出。
そしてこれが最後になる可能性もある。
ミズキは立ち上がり、トオルをしっかりと抱きしめた。
「私、トオルが彼氏になれて本当によかったと思う」
「俺も……幸せだった」
互いに腐臭を発しながら抱き合った。
意識が薄れる中で、愛する人の匂いだけは決して忘れないだろう。
「ねぇ……行こうか?」
ミズキは教室を出て、徐々に明るくなってゆく外の景色を見つめた。
「もうここにいても無駄だし……生まれ変わろう?」
トオルがゆっくりとうなずくと、ミズキは手を差し出した。
「一緒に……その……?」
トオルはその手を取り、二人で屋上に向かった。
朝日を浴びながら、消えてゆく用意をするのだった。
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