超高齢化社会。「安楽死」か「タコ・ゲーム」の参加か
- ★★★ Excellent!!!
超高齢化社会の日本において、高齢者の社会保障費削減のために過激な政策を打ち出した独裁政権下での出来事を描いています。80歳以上の高齢者に「安楽死」か「タコ・ゲーム」への参加かの2択を迫るという非人道的な政策設定は、読んでいてゾッとするものがありました。
主人公の松下洋介は、家族に勧められ「タコ・ゲーム」への参加を決意します。彼の武道の心得を活かした生存戦略は興味深いものでした。ただ、毒物の準備や息子からの島の情報収集など、周到な準備の描写があったので、最後まで生き残ってほしいと思わずにはいられませんでした。
女性独裁者の素性も徐々に明かされ、彼女の言動からは非情さと狂気すら感じられ背筋が凍る思いです。彼女の真の目的が何なのか気になるところです。
重たいテーマを扱いながらも、主人公たちの生き抜こうとする姿勢にはひきつける力があります。過酷な状況下で、彼らがどのように行動し、運命を切り開いていくのか、先が気になる物語だと感じました。