もう一回会えるなら

◯行雲◯

【Re:】

空いた缶が転がる。


得意じゃないビールを飲める日は

決まって良いお酒じゃない。


頭痛のいたみさえ足りない日。

今日は。


あんなに笑った部屋で

雪崩のような時間が来て

空っぽになった昨日。


いまから私は解けない雪崩を

遠くまで眺める。


「もし、さよならをいう時は」


なんて笑い話。

するもんじゃない。


笑っているうちは

サヨナラなんて考えないくせに。


幸せすぎると【2人のサヨナラ】のシーンを話題にして心の袖をひっぱっている。


いつも子どもだった。


「ありがと。幸せだった。」


「さよなら。あたしより幸せになるなよ 笑」


渾身の笑いを

絞り出したつもりでいたけど


昨日の記憶を▶️再生したら


聞こえないくらい小さな声の

「うん。」だけだった。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もう一回会えるなら ◯行雲◯ @suemama

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ