ウカレネズミの革で靴を作る、腕のいい職人だった語り手の祖父。しかし、ウカレネズミの数が著しく減ったいたため、狩猟を禁止されてしまう。架空の国の架空の動物について描かれた手のひら童話。全て架空のお話ですが、歴史上の人類の過ちを思い返しさせる、皮肉めいたお話になっています。その語りから、「じいさん」がとてもいい職人であったこと、孫である「俺」もそれを誇りに思っていたことを感じますが、だからと言って、ウカレネズミを絶滅させていいかとも思います。どこでどうすればよかったのか、答えの無い問題の入り口に立ったような読後感でした。
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