第8話
あれからもう一ヶ月も経つのか…。
ガロン族がケモ耳達の集落に来て
ガロン族もバロンとシャロンの他に5匹も増えたし。
最初はケモ耳達とガロン族でバチバチした険悪な雰囲気だったけど、今は少し穏やかになった気がする。
たぶんガロン族の子供のおかげが大きいかもな。
バロンはあんなにバカでかいのに子供のマロンはチワワくらいの大きさでカワイイからな。
初めてマロンを見たホルンとミミンは目がハートになってメロメロになってたっけ。
子供の可愛さは偉大だぜ。
「クーンクーン。ケモ耳ちゃま、好き」
おいおいマロン、急に現れてそんなにオレの顔を舐めるなよ。 ホントにカワイイな。
「あぁ〜マロンずるい〜。一人でケモ耳様のそばにいて、ホルンも一緒にいるの〜」
なんかオレ、モテモテだな。
「ザザッ」
「主様、ただいまホヌケ山のダンジョンから帰還いたしました。」
おっ⁉オレのパーツを探しに行ってきたバロンとシャロンが帰ってきたのか。
ガロン族は眷属になった途端、かなりの忠誠心を持ってオレにつくしてくれてるよな。
毎日オレのパーツ探しに飛び回ってくれて助かるよ。
でも今だにパーツは見つからないんだよな…。
今日はどうだろう…ん? シャロンが何か咥えてるな。
もしかしてパーツか⁉
やっとパーツが見つかったのか?
「主様、こちらをどうぞ」
ありがとうなバロンにシャロン。
どれどれどこの部位のパーツだ⁉
口だったんなら良いんだけど。
早くちゃんと喋ってコミュニケーションを取りたい。
……何だこれ?どこのパーツだ?
細長くて何箇所も関節がある。
手なのか? いや、手にしては細すぎる…。
まさか足っていう落ちじゃないだろうな⁉
さすがに4本も足はいらんぞ!
ホントにどこのパーツだ?
「ケモ耳様、ウチがポケ爺を連れて来るね」
うん。頼むぞホルン。 オレにはこれが何のパーツなのか全然分からん。
「これ、ホルンそんなに急かすな…わしはお前みたいに早くは歩けんのだぞ」
「そんなこと言わないで早く早く! ケモ耳様のパーツが見つかったんだから!」
「わかった、わかったからそんなにわしを後ろから押すな ……どれ、どこじゃそのケモ耳様のパーツは…」
「クーンクーン」
「あ、マロンありがとう。 咥えて持ってきてくれたんだね。」
「おー、マロンすまぬな。 どれ、これがケモ耳様のパーツか。 ……これはかなり変わった形状をしておるな」
「そうなのポケ爺!長くて細くて、どこのパーツか全然わからないの」
「確かに長いし細い…さらに5箇所の関節部位が一定間隔である…手にしては細すぎる、いやこの細さを関節の多さを利用しムチのように使うのではないか?」
「そのパーツって手なの? なんか変〜」
「まだ手とは決まっておらん…このパーツの接合部を見てみよう…これと腕の接合部合わせると……ダメじゃ、接合できん。 前の足パーツは腕に接合できたが、どうもこのパーツは特殊なパーツらしい。 腕には接合できん」
おいおい、まさかホントに足って落ちじゃないよな。
「それじゃこのパーツって足なのかな?」
「可能性は薄そうだが足の試してみよう。 すまぬがバロン殿、ケモ耳様を仰向けに寝かせてくれんかの」
「了解した」
「カプッ、ストン」
危険はないとは分かっていても、バロンの大きな口に咥えられるとさすがに怖いな…。
「一度左足を外して、ここに接合すると…」
今思ったけどもし左足にそのパーツかくっついたら、右と左とで全く違うバランスの悪い足になるんじゃないか⁉
場合によっては立てなくなる可能性もあるよね⁉
「ダメじゃ、こちらも接合できん…」
…はぁ…ある意味くっつかなくてよかった…。
「ポケ爺、それじゃこのパーツはどこのパーツなの?」
「っお!そうじゃ‼️ バロン殿、このパーツを発見したときに文字や図形の描かれた石版が近くになかったかの?」
「そのような物はなかった」
「……そうか…石版があればパーツがどこの部位か分かるやもしれんかったがのう」
「ね~ね~ポケ爺、そのパーツはどこにくっつくの~?」
「ちょっと待っておれ、今考え中じゃ …頭に付ける…いや違うな…他にこのパーツがしっくりくる部位は……ん⁉ おぉ〜そうか! あそこの部位ならば! バロン殿、度々すまぬが今度はケモ耳様をうつ伏せに寝かせてくれんかの」
「了解した」
「カプッ、ストン」
なになに視界が真っ暗になったんですけど、ポケ爺さん何するの⁉
「よしっ! 予想通りじゃ」
「ガシャッ」
「ガッチリと接合されたわい!」
「…ポケ爺…そこの場所って……」
「そうじゃ、このパーツは尻尾のパーツじゃ」
尻尾ーーーっ⁉ ちょっと待て!さすがに尻尾は想定外だったぞ!
そもそも尻尾ってどうやって動かすんだ⁉
「バロン殿、今度はケモ耳様を立たせてくれんかの」
「了解した」
「カプッ、ストン」
「ね〜ね〜ケモ耳様、新しく付いた尻尾を動かしてみて〜」
動かすって言われてもな…オレの前世の体には尻尾はなかったし…どうすれば動くんだ……。
…まずは尾てい骨の辺りに意識を集中させる…そこに尻尾があるイメージをする……。
…最初は小指が動く程度でいい…もっとイメージして。
「クイッ」
「あっ!ケモ耳様の尻尾が少し動いたよ!」
やった!少し動いたぞ! …そうかぁ、これはこういうイメージか!
「ブンブンブンブンッ!」
「ケモ耳様すご〜い!尻尾をブンブンさせてる!」
よしっ!尻尾の動かし方はわかったぞ!
次はこの尻尾をどう使うかだ。
ただ左右に動かすだけでは意味がない。
確か動物の尻尾はバランスを取るときに使うと聞いたことがある。
チーターにいたっては走行中の方向転換に使っていたような……方向転換⁉
そうか!こういう使い方ができるかも!
尻尾を地面にくっつけて、さらに足と上手くバランスを取る!
「ザッザッザッ」
よしっ!予想通り素早い方向転換ができた!
足だけより何倍も早い。
今までは向きを変えるだけでもかなりの時間がかかったからこの尻尾は使えるぞ。
あとは猿みたいに器用に尻尾を使えれば良いが今は現状で満足しよう。
「なんかケモ耳様少しづつ強くなって頼もしいねぇ〜」
「クーンクーン、ケモ耳ちゃまは強いでしゅ」
なんかホルンやマロンを見てると和むな……。
いろいろあったけどガロン族を受け入れてくれて正解だったかもしれないな。
「ダッダッダッダッ」
「ケモ耳様ー!見つかりましたです!パーツが見つかりましたです!」
でかしたミミン!どんなパーツか期待しちゃうよ!
―――こうしてオレのパーツを探す日常はそれなりの冒険を交え今日も過ぎるのであった。
【異世界✕ロボット】異世界ポンコツロボ無双 ~ポンコツロボットに転生したけど、鉄壁スキルといろんなパーツをくっつけて無双できました!~ サムライダイス @Samuraidice
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