概要
彼の転落を止められるのは、私だけだと思っていた。
何の取り柄もない女性事務員の”私”は、リストラ候補として無理矢理に営業職へ異動させられる。そこに新しく来た上司の広志。広志は魅力的な人材で、”私”は彼の営業ノウハウで成績を上げていく。一方、社内政治に負けた広志は窮地に陥っていく。
彼を支えたいと願う”私”だったが、男女の関係になり、お金まで渡すようになる。そんな二人の行き着いた結末とは……。
彼を支えたいと願う”私”だったが、男女の関係になり、お金まで渡すようになる。そんな二人の行き着いた結末とは……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!残光を眺めるような気分だった。
広志という男がいた。
簡潔に言えば情熱的な人だった。
荒っぽいけど、人をその気にさせるのが抜群に上手で、どんな落ちこぼれでも救ってくれた。
そう、私みたいな役立たずでも。
だから今になっても、はっきりと踏ん切りがつけられずにいる。
・
深い溜め息をつきながら、この作品を読んでいた。
広志のような人と、同じ職場で仕事をしていたことがあったのだ。
作中の彼ほど極端ではなかったが、その人もまた、昔気質で二面性を持ちながらも、称賛されるだけの能力があった。
大きな施しと、それと同じくらいの傷を受けた。
今同じ職業を続けているのも、その人のおかげだ。
残された…続きを読む