あなたの知り合いにも実はたぬきさんがいるかも……

おミヨ(たぬきさん)がなんやかんやで山を降り、ヒプノセラピーサロンで働くお話です。

ヒプノセラピーサロンでは、過去世のビジョンを見せることで、様々な悩みを抱えるお客さんにそれを支えとしてもらうお手伝いをしています。

一方、山の上にはたぬきの学校があって、化学(ばけがく)などを教わり、人と共生しています。当然、高校野球にも参加しており……。

林業科三年生のおミヨは卒業後、山仕事をするつもりでしたが、卒業を目前にして山で暴れるイノシシからみんなを庇い、足に怪我をしてしまいます。

山仕事を諦めざるを得なくなったおミヨですが、それでもたくましく、前を向いて生きていきます。

他方、ヒプノセラピーサロンの店主、海四は気まぐれでとある夏の高校野球の県予選を観客席から見ていました。

海四は片方の高校がたぬきの学校であることを見抜き、そこで大活躍をしたおミヨのことを印象深く覚えていました。


ある日、予約のお客さんのいない日におミヨの過去世を見ることにしたのですが、そこには何やら、戦前野球に関わるつらい過去があるようで――。

たぬきと人間の差別意識やいじめがある中、よき師に恵まれ、真っ直ぐ野球に向き合う姿が眩しいお話です。ぜひ、ご一読ください。