『本当の百物語』をあなたに。――それは、百物語を通した一世一代の告白。

あの日、百話目の物語を言い終えたら――。

そのとき加賀美は彼に、告白するつもりだった。

しかし、緊張からか、はたまた、彼女の体に何か起こってしまったのか。百話目を紡ぐ声は出てこなかった。

彼女はテレビ局へ就職し、彼は音信不通となる。

彼を見つけ、あの日言えなかった気持ちを伝えるため。彼女は、本当の百物語をテレビで放送することを心に誓う。


――その百物語の百話目は、あの日、語る予定だった、彼のための物語。

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