某ゲームよろしくなデスゲームの舞台を各チーム個性的なメンバーの視点で次々と足早に展開されていき、
まさにゲーム感覚で呆気なく人死が発生していく様が、
ひしひしと迫るスリルとはまた別のホラー味を生み出していて新鮮な読み物でしたね。
途中途中に挟まる実況解説もその倫理観の怖さに拍車をかけていて、
ゲーム感覚の行き過ぎはどいつもこいつもサイコパス化なのか?
なんて読んでいってたらデスゲーム主催目的がまた別ベクトルのホラーで、
更にオチまで違うホラーぶっ込んできてて。
怪談的な肝冷える感じではもちろんないのだけれど、
その個性的なキャラが集まって織り成した狂気のゲームに背筋はひんやりしました。
大会であるからこそ、多数の参加者がいる。
参加者がいるからこそ様々な理由があり、多数の死に様がある。
ただ撃ち合えばいい、殺し合えばいいって済まないのがこの作品のミソ。
ゲームであるからこそルールがある。
ルールはあるのだが、突拍子もない展開が起こるのだから展開が予測できない。
仲良しこよしが決裂して、もういないなんてザラ。
人の命は弾丸一発より軽いときた。
デスゲームだから当たり前である。
かといってオチが秀逸である。
そう、それでいいのよ。それで。
洋画でもホラーだとこの手の展開はお約束だ。
終わらない。終わらず続くのだ。
そう、デスゲームはクリアしようと終わることがないからデスゲームなのだ。