アンティークな関係、そしてモダンな心が織りなす物語

どことなく紅茶のような赤色が思い浮かぶ世界観で、一人の頑固職人の男性と一体の女性型機械人形が織りなす別れの物語達です。

淡い光に照らされるような工房にて『壊し屋』と渾名される主人公の下に訪れるのは大切な家族、或いは備品と呼ばれる機巧人形達。

彼らは心があり、しかし心の無い感情によって様々な運命を辿ることになる。というのが大まかなあらすじです。



やはりと言うべきか作者である往雪さんの深みのある描写によって心を揺り動かされることがこの作品の一番の魅力でしょう。

壊さなければ暴走してしまう機巧人形。でも死にたくないという感情。
果たしてその感情は自分達と何が違うのでしょうか?

そして最後に訪れるある日の別れ。これに涙腺が緩まない者はいないはずです。


赤びた黄土色の機械世界をぜひ堪能してみてください。