第6話

[庭園の鋏]のメンバーは途中で買った焼物や惣菜を手にポカーンと家を見てた。


 リティアは「こじんまりした良いお家ですね」なんて言ってたが……


 門扉を開けようと鍵を取り出すと何故か内側から鍵を開ける音が。


 不味いと思い扉に手をかけようとしたその時……俺の腰より少し背の低い二足歩行の黒猫が扉を開けて、


「主様おかえりニャ」とノドをゴロゴロ鳴らしながらシッポを立ててた

 後ろのリティアも[庭園の鋏]のメンバーもあ然である。


 俺は慌てて二足歩行の黒猫とリティアとか[庭園の鋏]メンバーを邸宅門扉の中に押し込んで門扉を閉めた。


 閉めた門扉の鍵を掛けてそーっと後ろ見ると、[庭園の鋏]に囲まれて怯んでる二足歩行の黒猫に……


 その向こうに家の玄関扉から覗いている錆色と三毛の二足歩行猫が! 思わず自分のオデコに手を当てて天を仰ぎながら、


「リティアごめん、それケットシーて言ういわゆる妖精、名前はノアールで隊長だって。あっちで覗いてるのが隊員」と家の扉を指す


 ノアールを取り囲んでたリティアと[庭園の鋏]メンバーはぎぎぎぎと擬音しそうなぎこちない動きで家の玄関扉方を見る


「とりあえず中入ろうか。ちゃんと説明するから。アベル達も腹空かせてるだろうし」とリティアを促してパーティメンバーも家の中に導く。


 錆色と三毛のケットシー達もビクビクしながら玄関扉を開けてリティアとパーティメンバーを向い入れる。


「ケム、リツありがとな」とお迎えケットシー隊員にお礼を述べる。


 ちなみにリツ隊員はメスである、三毛の原理はケットシーでも同じようでかなりな確率でほぼ三毛はメスだとか。


 こんなのを二十匹従えてる隊長さんがノアールで俺の臣下らしい。


 いつもは妖精界という妖精が居るケットシーの区域に居るのだか、契約を交わした主人の元にゲートが開けるそうで妖精しか通れない。


 たまに「主様の様子見ですニャ」と家に遊びに来る。今日がその日だったみたいだ。全く間の悪い……


 家に入ったら玄関ロビーでパーティメンバーが固まっていてケットシー達は少し迷惑そうだった。


 玄関ロビーから直接リビングに繋がっていててダイニングとリビングが扉なしで繋がっているんだけど……


 丁度ダイニングから大きな白い大型獣が二頭のっそりと顔を出していた。


 赤ん坊の時から面倒見てきたユキヒョウのアベルとスノータイガーのノアである。


 2頭にとっては「誰か来たの?」て感じで覗いているんだろうけど、普通大型樹に見られたら固まるわなぁ…


 あ。リティアだけが「アベルぅ〜、ノアぁ〜」って甘ったるい声出しながらダッシュして行った。


 固まってる一同と俺をノアールがキョロキョロと見比べるので、頷いてあげると「立ってるのもニャンだし、リビングにどうぞニャ」


 とパーティーメンバーをリビングに促す。猫まみれ?になってるリティアが「もう!ギルドで聞いていたでしょ」ってふくれっ面になってた。


 四人が窓際の長ソファーに腰掛けて荷物はとりあえずリビングの隅に纏めていた。リビングには二つの長ソファーといくつかの椅子とクッションが置かれてるだけ。


 リビングの真ん中はものを置かずテーブルも普段は置いてなく、今も無い。


 理由は大きいのがウロウロするのに邪魔になるから。あと俺が「邪魔!」と撤去したから。


 ちなみにリティアとパーティーメンバーはリビングに上がる前にある下駄箱の前で履物を脱いでもらい上履き(トゥシューズみたいなの)を履いて貰ってる。


 借りた時に既にこの仕様だったのでそのまま使ってる。リビングに来るまでに土足用応接室が一部屋あるので、奥に入れなくとも来客対応出来る仕様である。


 リティアがアベルとノアを伴ってリビングの真ん中の絨毯の上にクッション置いて座り、「パーティーメンバーを紹介しますね」と手を打ち合わせた。


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とある冒険者の旅行記?! あとでしよう @fukuthann

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