第5話
「……そちらの女性五人パーティですね?パーティ名とかあれば仰ってください、それからギルド証と冒険者証お願いします」
「ギルド証?」と後ろに控えてた女の子の一人が聞き返す。
するとリティアが肩から斜め掛けしてるバックから巻いている羊皮紙を取りだして
「これがギルド証。移動元のギルドに所属していて、今回移動するってギルドの
依頼じゃなく活動拠点を移動する時に必要なんだって」と説明してる。
活動拠点は一応その冒険者ギルドに登録してる事になってて、依頼で何日何ヶ月離れる事もあるが帰ってくる前提の場所。
これが依頼で移動してそっちで活動する場合はギルド証で移動た旨を出さなければならない。
登録者の本人確認と行方不明者が出ないようにと管理の観点からそうなってる。
俺も二週間前に届けてる……
頼みがあるから先に行っといてくれと頼んだ本人は来ず仕舞いだったけど。
んで代理のリティアは今絶賛移動申請真っ最中でパーティ名が「庭園の鋏」という変わったものだった。
リティアに「今晩の宿取ってるのか?無いならウチ来るか?」と聞いてみる。
「アベルも来てる?」とリティア。
「おう!居るぞ。ほぼ寝てばっかだけどな」と苦笑いの俺。
リティアのパーティメンバーが戸惑う所に「長い逗留になるから家借りたんだけど……」
「値段の割に結構大きくてな、五人泊まっても雑魚寝しなきゃならんほど狭くないし、二人一部屋くらいはあてがえるぞ」
と言えば何故かカウンターの横の角で相談という集まって内緒話….
「本当によろしいのでしょうか?」と一番背の高い紫色の髪に濃い青い瞳の女の子がオズオズと聞いてくる。
「デッカイ同居人二人居るけどそれさえ我慢できるならいいぞ!」と答えると事情を知ってるべアリスタが「あれがデッカイ二人?」と呟く。
パーティメンバー4人がべアリスタを凄い勢いで振り返り[詳しく!]と睨むように見る。
リティアが「ウィル叔父様は調教師やビーストマスターではないけれ二頭の大型の猫魔獣を従えてるの」
べアリスタも「ギルドでも調教具合の確認を行い問題無しと登録させて貰ってますよ」と安全は保証してくれた。
時刻も夕げ時はとっくに過ぎて夕闇はいつの間にか真っ暗な時間になっていた。
それでも街には店や家から漏れる明かりでまだ明るい方ではある。
また遅くまでは付いてないが明かりの大型魔道具が街中にいくつかあり街の道を照らしてはいた。
「ウチで晩飯でもいいなら、自己紹介は後にしてウチ来るかい?」と紫色の髪の女の子に聞いてみると、
「今晩はよろしくお願いしますウィル様」と呼ばれた。
びっくりして「どこかで会った?」と聞けば「2回目でこちらが一方的に覚えてるだけですので」と返してくれた。
リティアが「ご飯ありますの?」と聞いてくるので「昨日気晴らしに寸胴いっぱいのシチュー作ってある」
「パンも結構あるし、帰りがけに肉焼いたのでも買って帰れば大丈夫だろ。」と答えたら「やった!叔父様のシチュー!」と喜ぶリティア。
道中美味くない飯ばっかだったのかな?と不憫に思う。俺のシチューなんぞ普通の味だと思うんだか……
とりあえずべアリスタに登録終わったのを確認した上で[庭園の鋏]のメンバーの確認もし、家に向かうことにした。
ギルド出る前にガジガと目が合ったので手を振って挨拶しとくと、あちらも返してくれたのでギルドを出る。
冒険者ギルドはラズラエドの東門よりのちょっと南側にある。
俺が借家借りてるのは反対の東門から北側の労働者区域と商業区域の間くらいの二階建て五十坪の庭面積百坪くらいのちょっとした邸宅だった。
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