第4話
取り巻き(もうこれでいいや)にカラス形のめんおもてのフルヘルメットを外され出てきたのはハゲ散らかした頬のコケた四十〜五十くらいのオッサン!
思わず目の間の眉間辺りを揉んでしまった……
ガジガが小声で「前領主の弟で現領主の叔父でアシュレ・ドルド様だ」と教えてくれた。
現領主アリストラ・ドレド様はまだ30歳の文武両道な方で統治も緩い方だとか。
んでアシュレ・ドレド様は執政みたいな事してんのかと思いきや…地学者で鉱山の管理兼開発者らしい。
責任者なのだが人見知りが酷くて家からあまり出ない、出ても少人数を連れ歩くだけ。
街とかには一切出てこず社交界や領主代理にすら顔出さず研究とフィールドワークのみ行っている人らしい。
んで冒険者に依頼に来るのにたまに暴走して【謎甲冑】な格好で来るのだとか……
べアリスタがアシュレ様を改めて立たせようとした時ギルド入口から「大叔父様!」と声が掛けられる…誰にだ?
最初はアシュレ様かな?と思ったけど入口見て固まる!
見覚えのある亜麻色の髪に日焼けした肌にブルーグレーの瞳の成人前の女の子…
一気に汗が吹き出る!
待ち人来る!…んじゃねーんだよ!何であのバカ!成人前の娘寄越してんだよ!アホなの?死ぬの?俺が!
ちなみに女の子の名前はリティアレス・フォロウでれっきとしたお貴族様のお嬢様。
ウチのオヤジの弟の娘の旦那が父親で俺の友人でもある。
余談であるがウチのオヤジとその弟は双子の姉妹にとっ捕まり搾り取られてオヤジは俺、オヤジの弟はリティアレスの母親が出来たらしい。
言っとくがオヤジとその弟はエルフだかんな!
エルフスキーなちょっとアホ姉妹にとっ捕まったマヌケだけども…
んで、肝心のリティアレス(以後リティア)といえば四人の女の子と一緒に冒険者ギルドに入ってきた。
あれ?見たことあるよーなのがいるな?なんて現実逃避。
「大叔父様!お久しぶりです」と頭を下げるリティア。
肩まで伸ばした髪がサラサラと頭と同じく下に流れる。
後ろの四人はポカンとしてる
ガジガが「誰?」と聞いてくるので「俺をこの街で待たせてる
ガジガがフリーズした。
あ、アシュレ様と取り巻きとべアリスタもフリーズしてる。
まぁ、誰?って感じなんだろうけどね。
とりあえず頭ガシガシ掻きながら「久しぶりだね、リティア」と答えるけど間が悪い(汗)
顔上げたリティアを見てつい「ぷっ」と吹いて右手で左頬に触れて、目の下についてた泥汚れを親指で拭ってあげる。
「相変わらずお転婆だな!」と左頬の右手を頭にまわしガシガシ撫でる。
「ガシガシはやめてください、髪が!」と苦情と共に手を払われる。
リティアが横にいるガシガを見て「お連れ様ですか?」と尋ねる。
「いんや、今日知り合った冒険者だよ。ガシガも依頼完了して来いよ」とガジガに促してみる。
「あぁ、大丈夫だとは思うが気を付けてな」とガジガは改めて依頼カウンターに向かった。
「………ところでリティア……代理とかじゃないよね?」と恐る恐る俺……
「はいっ!その通りですよ!」とリティア……
ガックリと項垂れる俺にしゃがんで「大丈夫ですか?」と頭撫でてくれるリティア。
この娘なんでか心配すると人の頭撫でるんだよね。
「アイツ次会ったら殴る!」とゆっくり立ち上がる俺…やや引き攣った笑いのリティア。
そして「リティアまだぁ?」という後ろからの声に振り向くリティア。
「むぅ!久しぶりの叔父様だからもうちょっとまってよ! 」と仲間? を説き伏せてるリティアを制し、
アシュレ様をいつの間にか奥の応接室に押し込んできたべアリスタに向かって「パーティの移動申請お願い出来るかな?」とお願いしてみる。
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