「異世界ギルドの皆でハイキング」をしたら、ネクロマンサーなお笑いミステリー!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 働かないおじさんが、ネクロマンシーでよみがえったら…?異世界ピクニックって、どんなイベントなんですかね?!

異世界にあるふんわか冒険者ギルドから、こんにちは。

このギルドには、面白いイベントがある。

「冒険者ピクニック」

ギルドの皆が集まって、ワイワイ。

「あれ?今日は、レンジャーさんきていないの?」

「いるよ」

「どこ?」

「そこ」

「え?木でしょ?」

「残念でした」

「うわ、人だ!期待通りに、擬態!」

「おお。驚きの曲を、奏でましょう」

「あ、バードさん!」

「でも、いらないな。そういう曲」

「じゃあ、呪いの過保護ソングはどう?」

「呪いの歌?」

「世界に1つだけの…♪」

「やめろ」

「呪いの過保護呪文」

「君たち?アウトドア神レンジャーさんの話は、どこにいったんだ?」

「そうだ」

「そうだ」

「勇者さんは、リーダーみたいに言うね」

「みたいじゃなくて、リーダーだから」

「すまんくす」

食べて、飲んで、レクリエーションもして…。

その場に集まっていた冒険者だけで、記念写真も撮ってみた。

「ネクロマンサーのシキ君は、きていないね」

「墓の用事が、あるらしい」

「墓、好きだよねー」

「アンデッドを、増やすってさ」

「何で?」

「実家の店が、人手不足で困っているかららしい」

「どんな店だよ」

「勝手に死体を掘り起こして、ネクロマンシーの秘術をかけるのか」

「シキ君、クセになっているのね」

後日、ピクニックの日に撮った写真を見返す。

「良いねー」

と、思ったら。

「何これ?」

1枚の写真に、皆が釘付け。

知らない男が、写り込んでいたのだ。

「ここに写っているおじさん、だれ?」

「顔色、悪くね?」

「心霊系?」

「いえ。生きていますね。私の除霊も、無駄」

「クレリックさんは、落ち着いていますねー」

そのとき、ピクニックにはこなかったネクロマンサーのシキ君がギルドにやってきた。

「やあ、皆!」

「きたね」

「きたか」

「あのさ、皆に聞いて良い?」

「なあに、シキ君?」

「何だ、スーパーネクロマンサー?」

「ピクニックの日に、さ」

「うん」

「うん」

「墓に埋まっていた働かないおじさんを掘り起こして、ネクロマンシーして、働かせようとしたんだけれどさ」

「で?」

「で?」

「おじさんに、逃げられた。やっぱり、働いてくれないんだな」

「…」

「…」

「ねえ、皆?おじさんがどこにいったか、知らないかな?」

お前かー!


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