辛夷の花が咲く頃に、私の想いもあの花のように開くのでしょうか
- ★★★ Excellent!!!
花は毎年同じ季節に咲くのです。
時期を告げる美しい理です。
「男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」
という一節のある川端康成(※状況は真逆です)の小説が思い出されました。
告白の答えを待つという卯月の言葉に叔母、孟夏からの問いかけが返されます。
名前の意味が繋ぐ二人の縁が、ここで知らされることとなるのです。
恋の告白の一場面である本作。
春の花の薫香のように、受けとった者の心まで浮き立ちます。
皆様もぜひご一読し、春の気分になられますように。