第4話 女神の使徒


思えば短い人生だった。


僕は普通の家庭で生まれ育った。

貧乏でもなければ特段裕福でもない。

成績も真ん中、運動神経も普通。

ただ、サッカーが好きで小学校から

大学までサッカーだけは続けた。


奨学金を借りて行った大学もサッカーと

バイトに明け暮れて気づいた頃には卒業。

特にやりたいこともなかった僕は

バス会社へ就職しバスの運転手になった。


山上 晃(やまがみあきら)28歳 独身


サッカーを辞めすっかり

たるんでしまった身体は見るに堪えない。


毎日毎日同じ道を往復する日々

つまらない仕事だなとおもった。


ある日、ピエロの仮面をした男が

僕の前に現れた。男は僕にこう言った。


【言う通りにしなければ両親を殺す】


仮面で顔は見えないが僕はただならぬ

殺気を感じ取り従うことにした。

それとともに意識を失った。


目が覚めたら全身に小型爆弾が仕掛けられていた。はずせば爆発するとのことだった。


男の指示は、入学生を乗せたバスを

山の中で爆破しろというものだった。

僕は両親が助かるためには実行するしか

ないとおもった。


ピエロの名前はなんと言ったかな。

確か....【断罪のエド】だったか


あぁ。短くてつまらない人生だった。

でも両親が助かるならいいや


..........

......

...



山上 晃(バスの運転手)

【入学生の皆様申し訳けけけけけけけけ

ああああありりりりりりりりませせせん

只今よりこのバスは

























消し飛びまああああああああああああす】



キャアアアアアアアアアアアアアアア



キュイイイイィィィィィィィィィィィイン



ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォ

ォォォォォォォォオオォォォォン



..........

......

...



ブロロロロロロロロロロロロ


乃蒼

【いってきまーーす!!】




山上 晃(バスの運転手)


【はっ?え?】


【爆発は?なんで生きてるんだ】









ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォ

ォォォォォォォォオオォォォォン




ブロロロロロロロロロロロロ


乃蒼

【いってきまーーす!!】




山上 晃(バスの運転手)


【ハァハァ...なんだこれは...なんで時間が...

嫌だ熱いもう死にたくないハァハァ】




ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォ

ォォォォォォォォオオォォォォン




ブロロロロロロロロロロロロ


乃蒼

【いってきまーーす!!】




山上 晃(バスの運転手)


【嫌だ嫌だ熱い熱い熱い】




ズゥゥゥゥゥゥン



カチッ カチッ カチッ



山上 晃(バスの運転手)

【なん....だ....これ.....は】


【時間がとまっている.....?

バスが動いていない....後ろの入学生達も...】



トコ



トコ



トコ



乃蒼

【おじさん、たのしー?】



山上 晃(バスの運転手)

【な、なんだ君は】



乃蒼

【そのばくだん、たのしいー?

なんかいもどかーーんって】



山上 晃(バスの運転手)

【もうやめてくれ....もう....

40回も死んだ】



乃蒼

【辞めたらみんな死んじゃうじゃん】



山上 晃(バスの運転手)

【なんだ..声が変わった...?】



乃蒼

【爆弾取ってあげようか】



山上 晃(バスの運転手)

【頼む助けてくれ...もう死にたくないんだ...

両親を人質にとられてて..】



乃蒼

【うーん。嘘ついてなさそうだしいいよ】



乃蒼が爆弾に触れる



シュゥゥゥゥゥゥ


山上 晃(バスの運転手)

【ひぃぃぃっ】



乃蒼

【はい。おしまい。】



山上 晃(バスの運転手)

【あぁああありがとうございます】




乃蒼

【もう悪さしちゃダメだからね。

はい。じゃあちゃんとバス運転して!】




カチッ カチッ カチッ



ブロロロロロロロロロロロロ



.............

.........

.....



バスは無事、学校へ到着した。


乃蒼

【おじさん気をつけてね。じゃあね】


【さようなら】


他の入学生たちも運転手へお礼を

伝え、バスから降りる


ブロロロロロロロロロロロロ


............

........

....


山上 晃(バスの運転手)

【なんだったんだあの子は.....】





カツ




カツ




カツ



???

【失敗したんですねぇ】



山上晃

【あ、ああ、あなたは】



エド

【断罪のエドです。お久しぶりですね

山上さん】



山上

【あ、あの、わわわ、わたしわたわたしは】



エド

【何を脅えているんです?】

【さぁ、なぜ失敗したのか話しなさい】


エドは不気味に微笑んだ



山上晃

【すすすすみません、いいのちだけは】



エド

【早く話せ】



山上晃

【は、はい!!お、女の子がいきなり】



キュイイイイィィィィィィィィィィィイン



ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォ

ォォォォォォォォオオォォォォン




大爆発により山上晃の肉体は

バス諸共粉々に砕け散った







エド

【ゴホンッ....口封じですか...やはりバスの中に

居たようですね。女神の使徒が】




........

.....

..




乃蒼

【可哀想な運転手さん

まっ、自業自得か


さっ、入学式楽しみ♪】




第4話 完


------------


次回第5話 【異能】



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思ったことを口にしたら世界が滅んだ件 @noahmarumaro

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