等身大の苦学生の青春群像劇といった趣で、リアリティのある世界観

 困難な状況下でも懸命に生きる主人公・恭介の姿と、予期せず寮長という重責を背負うことになった若者の戸惑いを丁寧に描いています。恭介の寮長就任が「陽葵」という女性との関わりのきっかけになるという伏線が張られており、物語の続きが気になります。

 等身大の苦学生たちの青春群像劇という趣で、リアリティのある世界観の中で恭介たちが成長していく様子が描かれるのではないかと思います。今後の展開に期待が持てる小説だと感じました。